運転資金の融資を受ける5つのコツ!正しい計算で確実に借入できる

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夢と希望に燃えて起業に成功し、設備投資も万全に行い、順調にスタートを切った新米起業家の多くが「資金不足」でその夢を絶たれてしまう・・。そんな残酷な現実をご存じでしょうか?そもそも売上がなければ資金不足になる、というのは小学生でも理解できることです。しかし、売上があるにも関わらず資金不足になってしまうことがこの世の中にはあるのです。

なぜそのようなことが起こってしまうのか?それは、運転資金について詳しく知らずに起業してしまう、または運転資金の計算が甘いことが原因です。そこでこの記事では、企業経営に欠かせない運転資金の仕組みと、その計算方法についてわかりやすくまとめました。

そして、運転資金不足解消のための秘策もご紹介していますので、最後までぜひご覧下さい。

「経営者1年生」にも理解できます!そもそも運転資金って何?

運転資金がないと経営は始まらない

運転資金とは「立て替え」の資金

運転資金を簡単に説明すると、企業経営で足りないお金を立て替える資金です。例えば従業員10人にそれぞれ20万円の給料を支払うとしましょう。そうすると、10×200,000=200万円の現金が必要です。手元に200万円の現金があればよいですが、以下に述べる理由で仮に売上が十分にあってもお金が足らない、という現象が頻繁に起こるのです。そうなったら、なんとかしてお金を立て替える必要がありますね。それこそが運転資金の仕組みなのです。

ちなみに、「回転資金」「運営資金」という言葉も使われることがありますが、これらは運転資金と同じ意味ですので、以下は「運転資金」で統一します。

運転資金が必要な3つの理由

冒頭にも述べたとおり、売上があるにも関わらず資金不足になることがあります。その原因は大きくわけて3つあります。

①「入金」と「支払い」のズレ

②売上代金が入金されるまでのタイムラグ

③借入金の支払い超過

です。

①「入金」と「支払い」のズレ

1つめの「入金」と「支払い」のズレは、卸売業や小売業など商品を販売するに当たって多くの在庫が必要な職種で特に大きな問題です。例えば小売価格1,000円のおもちゃを500円で100個仕入れるとしましょう。

仕入れ値は、500円×100=50,000円

おもちゃが全部定価で売れたら1,000円×100=10万円です。

つまり、10万円-5万円=5万円の利益になるはずです。

ところが、仕入れた100個のおもちゃがすぐに全て売れるとは限りません。仕入れ値5万円を1ヶ月後に支払う場合、1ヶ月以内に最低でも50個(1,000円×50=50,000円となるため)のおもちゃを売らないと、資金不足になってしまうのです。

②売上代金が入金されるまでのタイムラグ

2つめの売上代金が入金されるまでのタイムラグとは、現金取引以外の職種で重要になります。特に下請業者は支払い遅延や買いたたき等の「下請いじめ」と呼ばれる行為があります(ちなみに支払い遅延や買いたたき等は下請法や建設業法の規定で公正取引委員会により禁止されている行為です)。

なくならない「下請いじめ」の実態(公正取引委員会) 

先ほどのおもちゃの仕入れの例で、5万円の仕入れを現金で行われれば良いのですが、小売店もおもちゃがすぐに売れるわけではないので、支払いを遅らせようとします。そうするとおもちゃの製造工場は、おもちゃを製造してから5万円を受け取るまでの間が数ヶ月先になってしまいます。おもちゃの製造原価や人件費、光熱費などもかかっていますので、実際に売れるまでは資金不足になるのです。

③借入金の支払い超過

3つめは、借入金の支払いが多い場合です。工場など初期の設備投資が巨額である場合、毎月の返済額も大きいため、売上が少なければ資金不足になります。特に長引く不況によって売上が減少した多くの企業が、借入金の返済が滞って倒産の憂き目に遭っています。

以上、運転資金が必要になる3つの原因をあげましたが、3つの原因が複合的に絡み合って資金不足に陥るケースが多いです。その他にも税金の支払いや突発的な出費(老朽化や災害による修繕、法改正など)も考えられます。そのため、運転資金について詳しく知る必要があるのです。

経営に必要な3つの資金、それぞれの役割

運転資金以外に理解しておくべき2つの資金

運転資金の重要性は理解していただけましたでしょうか?そして、企業経営において、運転資金以外にも大事な資金が2種類あります。「設備資金」「自己資金」です。それらもとても大事ですので、運転資金と比較しながら見ていきましょう。

設備資金

設備資金は、機械や設備など、事業を行う上で必要な初期投資のことです。土地や工場、事務所、自動車といった大きな物から、パソコン、コピー機器、工具なども含みます。設備資金は運転資金と並んで非常に重要です。くわしく知りたい方は以下の記事をご参照下さい。

設備資金とは?確実に融資審査を通し1,000万円借入できる5つのコツ!

 言い方を変えると、事業を行う上で必要な資金のうち設備資金を除いた物が運転資金なのです。

自己資金

言うまでもなく自分のお金のことです。自己資金が多ければ融資の額が少なくてすみます。さらに、融資を受ける際の審査において、自己資金が多いほど金利や返済期間、融資総額などにおいて有利に借りる事ができます。 例えば、日本政策金融公庫から融資を受ける場合に一定以上の自己資金があることが条件になる場合があります。詳しくは以下の記事をご参照下さい。

創業者が日本政策金融公庫を徹底活用し1年以内に成功する方法 

とはいえ、通常は自己資金だけでは事業を行うには不十分です。やはり、運転資金をいかにコントロールするかが事業の成否を占うのです。

八百屋さんを例に運転資金の基礎を完璧に理解しよう

これまでのところを分かりやすく整理するために、あなたが八百屋を起業した経営者だとしましょう。従業員は家族のみとします。そして、土地や店舗、レジ機、棚、車などの設備資金はすでに支払い済みだという前提で考えます。

資金不足の原因である ②売上代金が入金されるまでのタイムラグ ③借入金の支払い超過 については、八百屋であればあまり関係ありません。なぜなら八百屋は現金取引だからです。さらに前提条件で設備資金はすでに償却しているからです。そうなると、八百屋の経営における運転資金の課題は ①「入金」と「支払い」のズレ が大きなウェイトを占めます

八百屋の取り扱う商品は、大半が野菜や果物など鮮度のある物ばかりです。取り置きができにくいですので、商品の回転率を高めなければなりません。雑貨屋などと比べて在庫リスクが高いのです。売れなくなったら「半額セール」などで安売りするか、廃棄するかの二択になります。 そのため、仕入れする際には、定価で売れなかった場合を想定しておかなければなりません。

現金取引のため、その日の売上が現金で手に入りキャッシュフローは比較的良好ですが、仕入れ量の管理をしっかり行わないと赤字が膨らみ、運転資金がどんどん増えていってしまいます。

逆に、仕入れに慣れ、その日に仕入れた野菜を売り切ることができてくれば、毎朝市場で現金で仕入れた野菜や果物をその日のうちに現金化し利益を得ることができますので、理論上は運転資金は限りなく0に近づけることが可能となります

以上、単純化するために家族経営の小さな八百屋さんを想定しましたが、規模を大きくすると従業員を雇う必要がありますし、給料を支払うためには野菜の売れ行きが悪くても給料日までに支払わなくてはなりません。銀行に現金の残高がなければ、運転資金が必要になります。また売上を増やすために店舗改装するのであれば、あらたな設備投資なども必要になり、その返済に追われながら運転資金も増えていくことになります。

応用編 5種類の運転資金を理解しよう

運転資金の基礎が理解できたところで、もう少し細かい運転資金について述べます。やや専門的になりますので、今のあなたに必要ないと思われたら、この項目は飛ばして次の「計算方法」をお読み下さい。 運転資金は「事業に必要なお金のうち、設備資金を除いた全て」ですが、その説明ではちょっと範囲が広すぎて困りますよね。そこで、金融機関が融資審査に使う、5種類の運転資金の使い方を理解しましょう。あまり一般には知られていないことですので、融資を受ける際に相手の考えを知る切り札になるかもしれません。

1.経常運転資金

これは、いわゆる普通の運転資金のことです。運転資金のうち、以下の4つを除いた全てと考えるとよいです。

2.増加運転資金

これは、売上が好調の時に必要ないわゆる「つなぎ資金」のことです。例えば和食のレストランを開店し、その数ヶ月後に和食ブームがやってきたとしましょう。すると、これまで閑古鳥だった店内が連日満員御礼となりました。あなたがトレンドに敏感な経営者であれば、このブームに乗じて一気に売上を拡大しようとするでしょう。そうなると店舗の拡大や仕入れの増大、従業員の増員、営業時間の延長などなど、売上拡大のための多くの手をうつことになります。

売上が拡大すると、それに比例して増えるのが諸経費です。人件費、水道光熱費などが増えていきます。その時にこそ、増加運転資金が必要になるのです。

現金取引のレストランを例にしましたが、これが売上と代金回収にタイムラグがある場合だとどうでしょう?売上があるはずなのに諸経費の急激な増大が売上金の回収に追いつかず、増加運転資金も足りなくなってしまえば、いわゆる「黒字倒産」ということになってしまいかねません。業績が絶好調なのに倒産してしまうという、笑えない状況になってしまうのです。

黒字倒産の恐怖  

それを回避する方法も、実はあるのです。一押しの方法は「ファクタリング」と呼ばれる方法です。ファクタリングは、なんとこれまで述べた課題を一気に解決する運転資金の調達方法です。その仕組みはズバリ、「売掛金を現金化する」ことにあります。

ファクタリングの仕組み「売掛金を現金化する」とは?

ファクタリングについて、より詳しくはこの記事の最後の方をご参照下さい。

3.減少運転資金

業績が好調の時もあれば、悪化することもあります。減少運転資金とは、増加運転資金の正反対のベクトルの運転資金です。つまり、売上が不調にも関わらず必要になる支払いのお金です。増加運転資金と比べて、減少運転資金の融資には金融機関は非常に慎重になります。場合によっては取引停止ともなってしまいかねません。経営者としては早急に売上アップを図る必要がありますので、そのための一時的な運転資金と考えるべきです。

売上が縮小したとき特にネックになりやすいのは「人件費」と「税金」です。 まず「人件費」は、そう簡単に削減できません。すでに非正規雇用や派遣労働者を雇用してぎりぎりまで人件費を削減している企業が多いため、これ以上削減すると業務そのものがなりたたないからです。ボーナスカット、最低賃金ぎりぎりの支払い、サービス残業などで対応しても限界があります。

そして「税金」は、前年分の支払いであるため、前年に1億円の売上があったのに今年は8千万円の売上しかなかった、という場合であっても、前年分(1億円稼いだとき)の税金を支払わなくてはなりません。税金が支払えなくて倒産する会社は驚くほど多いのです。

会社が払う税金は高い!その種類

4.季節運転資金

これは、季節によって必要となる運転資金です。ボーナス支払いのための資金はその典型例です。また業種によって繁忙期や閑散期を迎えることもありますし、1年に一度だけ、巨額の仕入れを行う場合などもありますので、そのための運転資金と考えましょう。通常は1年以内の短期返済で資金繰りを行うことができれば問題ありません。

極端な例を挙げると、スキー場経営が挙げられます。スキーのシーズンは冬のみですので、売上のほとんどは冬になります。そのため、冬の売上増加を見込んで季節運転資金を調達する必要があります。春から秋までは売上はほとんどなく、固定費の支払いで赤字のため、スキー場開設前に季節運転資金を調達し、シーズン後に収支を調整するのです。

5.設備未払金決済運転資金

設備未払金決済運転資金とは、「設備を購入してから半年以上経過した未払いの資金を運転資金にする」というものです。少しわかりにくいですよね。例えば、これまでの2倍の効率で商品を製造できる機械を100万円で購入したとしましょう。これにより、売上の拡大や経費削減がはかられ数ヶ月で100万円の購入資金が回収できる予定でした。

ところが、予想外の事態が次々起こります。初期動作の不調、頻繁なメンテナンスの必要性、従業員が新しい機械を使いこなせないなどなど。そのようになんらかの理由で設備購入資金が未払いになってしまうことがあるのです。そんなときに「設備購入から半年以上経過」という条件付きで運転資金として扱われるのが設備未払金決済運転資金なのです。

小学生レベルの算数力があれば必ずわかる!運転資金の正しい計算方法をわかりやすく解説!

まずはちょっと難しい計算式

基本的な計算方法

運転資金がいくらになるか、具体的に計算する必要があります。根拠もなく「だいたい500万円ぐらい必要かなぁ」では、どの金融機関も運転資金を貸してくれません。その基本的な計算式は、

経常運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)

となります。

・・・、ちょっと難しかったでしょうか?これらの用語は、経営者として何度もふれていくうちに自然と使いこなせるようになっていきます。しかし、経営者としての経験が浅いうちは「売掛金?手形?」と理解が追いつかないかもしれません。そのため、小学生の計算力があれば理解できるように以下でご説明します。

在高(ありだか)方式と回転期間方式

計算方法は大きく分けて2通りあります。「在高(ありだか)方式」「回転期間方式」です。このうち「回転期間方式」とは、不自然の売上債権の回転期間が長期化している場合の対策として生まれた計算方式です。企業の粉飾決済を見破るためのものです。こちらはとても大事ではあるのですが、より面倒な計算が必要になりますので、主に「在高(ありだか)方式」での方法をご説明します。

あなたはゲームソフトを売る社長です

運転資金を理解するために、あなたはゲームソフトを売る会社の社長になったとしましょう。あなたは非常に優秀なので、社員は雇わず、パソコンを使うことで自分の家で仕事を完結させることができます。また、税金や送料、梱包料などは考えないことにしましょう。

あなたは、去年ゲームソフトの販売を始め、貯金(自己資金)を使って一本1,000円のゲームソフトを100本仕入れました。 つまり、仕入れ値

1,000×100=100,000円

です。これで貯金は使い果たしてしまいました。 それをインターネット販売で1本5,000円で完売することに成功しました。 利益は、

5,000×1,000-100,000=400,000円

です。 しかし、この40万円はインターネットでの決済なので、まだ手元に入っていません。でも、10万円の元手が40万円にばけたので、ゲームソフトの販売を継続したいと思っています。

手元にお金がありませんので、お金の立て替え(つまり運転資金)が必要になります。どのぐらいのお金が必要かを、上記の運転資金の計算方法で計算してみましょう。 計算方法は、経常運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)でしたね。このうち手形は関係有りません。また、棚卸資産とは売れ残ったゲームソフトのことですが、完売していますので0円とします。

すると、

立て替えに必要なお金(経常運転資金)=売掛金-買掛金

となります。 売掛金は、そのまま未払いの40万円になります。買掛金とは支払うお金ですが、ここでは前回と同じように一本1,000円のゲームソフトを100本仕入れたいと思いますので、10万円になります。すると、

40万円-10万円=30万円

が望ましい運転資金、ということになります。

これは、一般的な「在高(ありだか)方式」をわかりやすく説明するためにものすごく単純化したものですので、これを理解すれば十分というものではありません。おおまかなイメージ作りのためのものとご理解下さい。

運転資金の融資を受ける5つのコツ

運転資金の概要と必要性、必要な運転資金の金額を計算する方法を学んでも、実際に運転資金を調達できなければ意味がありません。運転資金を得るためには先ほども少し説明した「ファクタリング」という融資によらない方法もありますが、この章では一般的に用いられる「融資」という手段をとる場合に、より融資を受けやすくなる5つのコツを学びましょう。(ファクタリングについては章をあらためてご紹介してます)

1.目的

なぜ借入が必要になったのか、つまり運転資金の使い道についてです。一般に民間の金融機関よりも政府系金融機関のほうが目的について厳しく審査する傾向にあるようです。融資をスムーズに受けるポイントは「明確さ」です。

世界的な大ベストセラーになった「こころのチキンスープ」という本があります。共著者の一人、ジャック・キャンフィールドは、さまざまな感動的なストーリーを一冊の本にするというアイディアが絶対に成功させるという明確な目的をもって公演活動を行いました。その結果、様々な出来事が引き寄せられ、成功の階段をのぼっていったのです。

こころのチキンスープ (ジャック・キャンフィールド、マーク・ハンセン共著)

加えて大事なのが、相手(金融機関)のことを考えることです。「自分はこれだけのお金が必要なんだ」と、明確にのべたところで、返済の可能性が見えなければ金融機関は決して融資してはくれません。そのため、以下の4項目もしっかり目を通して下さい。

2.金額

これは、具体的にいくらの借入が必要なのか、明らかにしようということです。運転資金の計算方法を参考に、必要なお金を、はっきりとした根拠をもって導き出しましょう。お金を借りに行った本人が、具体的にいくらのお金が借りたいのか分からない、という情けない話にならないようにしましょう。

また、あまり背伸びしすぎないことも大事です。金融機関は「必要なお金」しか貸してくれません(特に政府系金融機関は)。バブル経済の時代には金融機関の方から「お金を借りてくれ」と必要以上の融資話を持ちかけてきたのですが、そんな時代はもうきません。身の丈に合ったお金だけを借りましょう。

3.借り入れ希望日

お金を借りるときに一番大事なことはなんでしょう?それは、“お金を「いつ」かえすか”です。ですので、いつまでに借入が必要なのか、明らかにした上でお金を借りましょう。 そのために、

・資金の使い道がはっきりしていること(つまり目的が明確である)

・返済できる金額であること

・返済するための資金入手のめどがたっていること

などが必要です。

4.返済期間

お金を借りるときには、つい「このぐらいの金額なら大丈夫だろう」と思って安易にかりてしまいがちです。ところが、毎月の返済に追われていくうちに「なんであの時お金を借りてしまったんだろう」と後悔する羽目になるのです。そうならないために、返済期間についても、しっかり計画を立てなければなりません

特に、一回当たりの返済金額が安くてすむからと、24ヶ月など長期の返済計画を立ててしまい、返済に追われる一方で運転資金が膨らむ一方、ということにならないようにしましょう。万が一そのようになった場合、リスケジュール(以下「リスケ」)という方法で毎月の返済額を少し減らすことも可能です。リスケについては章を改めてご説明します。

5.相手の人情に訴えかける

これは、最後の手段です。日本人には義理人情の精神が未だに根付いています。変にごまかそうとするよりも、正直に自分の会社の資金繰りが厳しい状況と、なんとしてでも返済するという決意を述べれば、相手の心が動く可能性があります。

ただし、この方法は不確実性が高いです。少なくとも上記1~4の方法を試し、融資まであと一押し、という時に使うと有効です。

困ったときの「リスケ」

「リスケ」の意味

借金を返済するためにあらたに借り入れする、そのような悪循環から一刻も早く抜け出すために毎月支払う返済金額を減らすという方法があります。それこそが「リスケ」です。

リスケが必要なケース例

例えば、あなたの会社の月収が1,000万円で人件費など諸々の経費が500万円、毎月の返済額が500万円だとしましょう。すると、毎月あなたの会社に残る現金は、

1,000万円-500万円-500万円=0円

となってしまいます。 この状態は経営上非常に危険です。売上が少しでも下がったり、機械の故障などで修理費が必要になったり、税金や保険料の支払いが発生した場合などに、手元にまったくお金がなくなってしまいます。お金がないとなにもできないので運転資金の借り入れが必要になりますが、いわゆる自転車操業の状態になってしまうのです。

解決策として

・売上の増加

・経費削減

が真っ先に思い浮かびますが、それら2つの手段を試してもうまくいかないとき、第3の手段、つまり金融機関からの返済額を減らすという奥の手がリスケなのです。

「リスケ」本来の意味

リスケとは「リ・スケジュール」つまり「再スケジュール」ということです。スケジュールがうまくいかないときに組み直す、そのように軽い意味で用いられることもあります。しかし、リスケを借金返済額の変更や緩和、という意味で使うのであれば、よくよく注意しましょう

金融機関が用いる「リスケ」、その正体

いまでこそリスケという言葉は一般的な用語ですが、元々は金融業界で広く用いられていました。そしてその意味するところは「返済額が多すぎてつぶれそうな会社の返済を先延ばしにする」という、非常に切羽詰まった状況に使う最終手段、というものだったのです。もちろん現在でも金融機関はリスケをそのような意味に解釈していると思われます。

銀行等にしてみれば「お金を貸したのだから返してもらわなくては困る。でも、会社がつぶれてしまっては元も子もない。それなら借金返済を少し待ってやろう」という立場です。借りている企業の側にとっても、借金の先送りに過ぎないので、お互いにとってやむを得ない状況なのです。

安易に「リスケ」するデメリット

運転資金の返済をリスケするのは、できるかぎり回避しましょう。そうならないように、必要な運転資金を事前に計算し、必要な額を返済可能な範囲で借りるのが一番です。

もしやむをえずリスケしてしまうと、金融機関からの評価は低くなってしまいます。そうなると、業績を拡張しようとして追加借り入れしようと思っても、まず断られてしまいます。さらには業績不振でさらに返済の猶予を求めても、そうなん度も応じてもらえません。運転資金の借り入れができなくなると、たちまち廃業に追い込まれてしまいかねません。まさに土俵際に追い詰められている状況だと理解しましょう。

目から鱗のサービス「ファクタリング」

資金不足解消の秘策、それが「ファクタリング」

冒頭で「資金不足解消の秘策」をご紹介するとお約束しました。上記のリスケはうまくいくこともありますが、デメリットも多くあります。そもそも金融機関がリスケに応じてくれなければ話になりません。

そこで、秘策としてご紹介するのが「ファクタリング」という手法です。これは、一生懸命がんばって売上を出しているのに、手元の運転資金が足りなくて慢性的に困っている、そう悩む経営者の福音となるでしょう。

「売掛金」を買い取ってくれるって本当?

ファクタリングの仕組みの肝は、ファクタリング会社があなたの会社の「売掛金」を買い取ってくれるということです。これは、現金化できていないお金が一瞬にして手元に届くという画期的な方法です。

これがどれだけすごいことか、少し考えてみましょう。最初の方に例に挙げた八百屋さんでは、大根やキャベツを売ったら、100円とか200円という現金がそのまま入ってきます(クレジットカードで支払える八百屋さんはほとんどないでしょうから)。ところが現金がすぐには入ってこない商売の場合は、売り上げが現金化されるまで運転資金を金融機関などに借り入れることになります。

その時に、まだ現金になっていない売上、つまり「売掛金」を担保にして金融機関に借り入れを申し込んでも思い通りに貸してもらえるかわかりませんし、そもそも審査の時間がかかってしまいます。相手がメインバンクであっても、昨今の銀行は「石橋をたたいても渡らない」とも言われるほど融資に慎重であるため、期待はできません。

それに対し、ファクタリング会社はそもそも売上金を買い取る専門家であるため、スムーズでしかもハイスピードな資金調達が可能なのです。

「ファクタリング」は「質屋」に似ている?

厳密にいうと別物ですが、理解しやすい例として「質屋」をあげましょう。「質屋」とは、どうしてもお金が必要な時に、質屋に品物をあずけ、その代わりに現金を受け取るという商売です。

例えば、10万円の価値がある腕時計を持っているとしましょう。ところが彼女にプレゼントする指輪を購入するため急に10万円が必要になり、手元には一銭もありません。そんなときに、質屋に行って腕時計を質に入れ、10万円を受け取るのです。そのお金で無事に指輪を買うことができる、というわけです。

注意してほしいのは、

・その腕時計が他の人に買われてしまう可能性がある

・腕時計を手元にとりかえすには、10万円にプラスアルファの手数料が必要

・期限切れの場合は「質流れ」となり、腕時計の所有権は質屋になる

ということです。特に他の人のものになってしまったら、取り返すのは困難です。 これをファクタリングにあてはめると、 質屋=ファクタリング会社 腕時計=売掛金 となり、10万円の収入を現金化する仕組みの理解がすすんだのではないでしょうか?

余談ですが、「女房を質に入れてでも」という表現がありますが、これは江戸時代に実際に女房を遊郭に入れ、現金を得たということらしいです。現在ではもちろん禁止されています。

ファクタリングの仕組み「売掛金を現金化する」とは?

まとめ

運転資金についてなるべくわかりやすいように、単純化した計算式でご説明しました。専門用語や計算方法が難しいと敬遠するよりもまずは基本を理解することが大事です。基本を理解していけば、くりかえし使っていくうちにより複雑な用語や計算も理解できるようになっていきます

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