所有する資金が増えてくると、「その資金を眠らせておくのはもったいない」と感じる方もいることでしょう。金融機関にただ預金をするだけでは、その資金が大幅に増えることはありません。
そのため、多くの方は資金がある程度増えてきたタイミングで、「運用すること」を検討します。しかし、資金運用にはリスクがあるので、金額や目的に応じた方法を選ぶことが重要になります。
そこで今回は、資金を増やす方法と、各方法の特徴をランキング形式でご紹介していきましょう。
目次
■【15位】普通口座への預金
前述では、ただ預金をするだけでは資金は大幅に増えないとご紹介しましたが、普通口座への預金も資金運用に含まれます。銀行などの普通口座にはそれぞれ金利が設定されているので、少額とは言え利息によって資金を増やすことができます。
銀行は信用性の高い金融機関なので、普通口座への預金は誰でも取り組みやすい運用方法と言えるでしょう。
〇メリット
・全国には多くの金融機関があるので、手軽に始められる
・資金が短期間で減るなどのリスクがほとんどない
〇デメリット
・普通預金の金利は年0.001%前後であり、運用法の中ではリターンが少ない
・元本保証が1,000万円なので、多額の資金を所有している場合は分散させる必要がある
〇リスクの大きさ
★☆☆☆☆
〇必要になる資金
少額からでも可能。ただし、利息は金利と預金額によって変動するので、資金が増えるにつれてリターンも増える。
■【14位】貴金属投資
貴金属投資とは、金や銀、プラチナを買い取り、将来的に売却することで差額の利益を得る運用法です。貴金属の価値は時期によって変動するので、価格が安い時期に購入し、価値が上がったタイミングで売却をすれば、取引量に応じた利益を生み出すことができます。
個人的に貴金属を好きなタイミングで購入する方法もありますが、毎月一定額をコツコツと積み立てて、購入時期を分散させる「純金積み立て」などの金融商品も見られます。
〇メリット
・少額からでも始められる
・価値がゼロになる可能性が低い
・不況に対するリスクヘッジとして活用しやすい
〇デメリット
・得られるリターンが特に多いわけではない
・好きなタイミングで売却できない可能性がある
〇リスクの大きさ
★★☆☆☆
〇必要になる資金
積み立て式の金融商品であれば、毎月1,000円前後から始められる。個人的に好きなタイミングで購入する場合は、最低でも5,000円前後の資金が必要。
■【13位】地方債
都道府県や政令都市などが発行する、債権を買い取ることで資金運用する方法です。地方債には、全国的に広く公募される全国型市場公募地方債と、地域住民に対して公募される住民参加型市場公募地方債の2種類があります。
地方債は銀行などの金融機関で取り扱われていますが、銀行によって扱っている地方債は異なるので、目的の自治体の債権を取り扱っている金融機関を探すようにしましょう。
〇メリット
・定期預金や国債に比べて、金利が高く設定されている
・ある程度、好きな地域を選ぶことができる
〇デメリット
・値動きが激しく、大きな損失を被る可能性もある
・自治体が破綻すると、一気に資金を失う恐れがある
〇リスクの大きさ
★★★☆☆
〇必要になる資金
自治体によって異なるが、1万円から購入できるケースが多い。
■【12位】先物取引
先物取引とは、あるものを「どの時期にいくらで売買するのか」という権利を買い取る方式の運用法です。主に農産物やエネルギー資源などが対象とされており、先物取引では自己資本以上に投資ができる「レバレッジ」を利用することが可能です。
先物取引では事前に取引の価格を設定できるので、FXや株式投資などのように価格変動リスクを特に心配する必要がありません。
〇メリット
・少額からでも、多額の取引ができる
〇デメリット
・取引時期が決められるので、後から決済のタイミングを選べない
・レバレッジを利用すると、損失のリスクが増大する
〇リスクの大きさ
★★★★☆
〇必要になる資金
1万円前後の少額から可能。
■【11位】個人向け社債
一般企業が資金調達のために発行する債権を、買い取る形で行う運用法です。社債は不定期で発行され、2年~7年の満期が過ぎると、金利がつけられた状態で資金が戻ってきます。
個人向け社債は人気が高い金融商品であり、売り切れるケースも珍しくありません。そのため、早めに証券口座を開設しておき、興味のある社債が見つかったらすぐに行動を始めることが大切です。
〇メリット
・金利が年間で2.1%程度の社債もあり、定期預金より全体的に金利が高い
・途中で社債を売却しなければ、企業が倒産しない限りほぼ確実に利益を受け取れる
〇デメリット
・倒産リスクが高まると、元本割れを引き起こす可能性がある
〇リスクの大きさ
★★☆☆☆
〇必要になる資金
銘柄によって異なるが、一般的な銘柄では10万円程度の資金から始められる。
■【10位】上場投資信託(ETF)
上場した投資信託を、証券取引所で売買する方式の運用法です。一般的な投資信託とは異なる特徴が見られ、価格決定がリアルタイムで行われており、株式と同じように売買することができます。
ETFは証券会社でしか購入できない金融商品なので、購入を希望する方はまず証券口座を開設する必要があります。
〇メリット
・価格変動を把握しやすい
〇デメリット
・手数料に加えて、信託報酬と呼ばれる運用コストが必要になる
〇リスクの大きさ
★★☆☆☆
〇必要になる資金
投資信託によって異なるが、通常数十万円の資金が必要になる。
■【9位】外国為替取引(FX)
海外通貨を売買し、その差額によって利益を生み出す運用法です。また、通貨間の金利差である「スワップポイント」もFXの利益に該当し、金利の高い通貨を持ち続けることで、毎日多くのスワップポイントを得られる可能性があります。
なお、FXにおいてもレバレッジを利用することができ、最大で資金の25倍までの投資が可能です。また、計算上の損失が証拠金を上回らない限りは、ある程度好きなタイミングで通貨を売買することができます。
〇メリット
・外貨預金に比べると手数料が安い
・少額からでも多額の取引が可能
・通貨を保有しておけば、毎日スワップポイントを受け取ることができる
〇デメリット
・証拠金が不足すると、強制的に決算される(ロスカット)可能性がある
・短時間で大きく値動きをすると、ロスカットが遅れることにより借金を抱える恐れがある
〇リスクの大きさ
★★★☆☆(通貨やレバレッジの利用によって異なる)
〇必要になる資金
少額からでも始められる。
■【8位】不動産投資
不動産投資では、主に2つの利益を受け取ることができます。ひとつは不動産売買の差額による利益であり、もうひとつは家賃収入による利益です。したがって、不動産投資は短期投資・長期投資のいずれにも適している投資方法と言えるでしょう。
なお、不動産の購入には通常多額の資金が必要となりますが、ローンを利用すれば少額の資金でも不動産を購入できる可能性があります。
〇メリット
・入居人が見つかれば、安定して家賃収入を得られる
・購入した不動産は、将来的に担保として活用できる
・不動産を購入することで、インフレ対策になる
〇デメリット
・専門的な知識がなければ、不動産の価値を適切に見極めることが難しい
・賃貸物件の場合は、管理などの手間がかかる
・年数の経過により、不動産の価値が下がる
〇リスクの大きさ
★★★☆☆
〇必要になる資金
ローンを利用する場合は、数百万円の資金からでも可能。
■【7位】投資型クラウドファンディング
インターネット上でお金を借りたい個人・企業を見つけて、その個人や企業に融資をすることで、配当を受け取る方式の運用法です。「ソーシャルレンディング」と呼ばれることもあり、案件ごとに金額やリスクが異なります。
投資型クラウドファンディングは資金を集める目的や方法によって、主に「融資型・株式型・ファンド型」の3つに分けられています。
〇メリット
・希望に応じて、案件を選ぶことができる
・SBI証券の株式を保有していれば、その株式を担保にできる
〇デメリット
・条件に適した案件を見つけるには、情報収集をする必要がある
〇リスクの大きさ
★★☆☆☆
〇必要になる資金
案件にもよるが、最低1万円程度から始めることが可能。
■【6位】外貨預金
主に銀行で取り扱われている金融商品であり、日本円を外貨に替えて預金しておくことで、為替差額や金利といった利益を受け取れる運用法です。通貨によって為替や金利の傾向が異なるので、その点に注意しながら慎重に通貨を選ぶ必要があるでしょう。
「FXとの違いが分からない…」と感じる方もいるかもしれませんが、外貨預金とFXでは手数料や保障内容などに違いが見られます。
〇メリット
・安定性が高い通貨であれば、リスクを抑えやすい
・通貨によっては、年利5%以上の高金利を期待できる
〇デメリット
・為替変動のリスクが常につきまとう
・FXに比べると手数料が高い
〇リスクの大きさ
★★★☆☆
〇必要になる資金
利用する銀行によっては、1現地通貨からの取引が可能。
■【5位】株式投資
株式会社が発行した株券を購入し、売却による差益や配当金、株主優待といった利益を狙う運用法です。日本国内だけでも数多くの銘柄が存在していますが、株式は世界中に数多く存在しており、銘柄ごとに異なる特徴を持っています。
また、信用取引を利用すれば、所有している資金以上の取引を行うことも可能です。
〇メリット
・選択肢が多く、投入する資金や抱えるリスクを調整しやすい
・IPO株など、高確率で利益を得られる株式も存在している
〇デメリット
・株価が下落すると、元本割れを引き起こす恐れがある
・株価を常にチェックする必要がある
〇リスクの大きさ
★★★☆☆
〇必要になる資金
銘柄によって異なる。また、売却益を狙うのか配当金を狙うのかによっても、必要資金は大きく異なるので要注意。
■【4位】定期預金
銀行などの金融機関の中には、普通口座のほかに定期預金口座を提供している機関も見られます。普通預金に比べると、定期預金は全体的に金利が高いので、定期預金ではより効率的に資金運用をすることが可能です。
ただし、定期預金で預けた資金は一定期間引き出すことができず、中途解約をすると金利が下がってしまいます。
〇メリット
・普通預金と同様に、リスクがほとんどない
・ほかの運用法と比べると、手軽に取り組みやすい
〇デメリット
・資金を好きなタイミングで引き出すことができない
〇リスクの大きさ
★☆☆☆☆
〇必要になる資金
金融機関によって異なるが、月々数千円あれば可能。
■【3位】ネット定期
ネット定期とは、ネット銀行が提供している定期預金のことを指します。一般的な銀行の定期預金に比べると、ネット定期は全体的に金利が高く設定されている傾向にあり、中には年利0.2%ほどのネット定期も見られます。
金利が高いネット定期を利用すれば、より効率的に資金を運用することが可能でしょう。
〇メリット
・リスクがほとんどない
・一般的な定期預金に比べると、金利が高い
〇デメリット
・ネット口座を開設する必要がある
・資金を好きなタイミングで引き出すことができない
〇リスクの大きさ
★☆☆☆☆
〇必要になる資金
ネット銀行によって異なるが、月々数千円あれば可能。
■【2位】個人向け国債
国が個人投資家に向けて発行した債権を買い取る運用法です。個人向け国債は満期を迎えると、元本に利息がついた状態で返還されます。
個人向け国債には複数のタイプがあり、タイプごとに満期が3年・5年・10年と変わります。なお、中途解約することも可能ですが、解約をするとペナルティとして利息が減ってしまうので注意が必要です。
地方債とは異なる特徴を持っているので、以下でしっかりと確認しておきましょう。
〇メリット
・国が発行する債権なので、信用度が高い
・少額融資も可能である
・1年以上保有すれば、元本割れのリスクがない
〇デメリット
・市場動向によっては元本割れのリスクがある
〇リスクの大きさ
★☆☆☆☆
〇必要になる資金
最低1万円から始めることが可能。
■【1位】投資信託
投資信託とは、一般投資家から集めた資金を利用して、プロの投資家が代わりに投資を行う方式の金融商品です。投資によって生じた利益は、投資金額に応じて一般投資家に均等に分配されます。
投資信託は金融商品の種類が多く、ローリスクローリターンな商品から、ハイリスクハイリターンな商品まで幅広く取り扱われています。銀行などの金融機関でも取り扱われているので、手軽に購入しやすい金融商品と言えるでしょう。
〇メリット
・知識がなくても投資に参加できる
・希望に応じた金融商品を見つけやすい
・分散投資として活用しやすい
〇デメリット
・解約時には手数料がかかる
〇リスクの大きさ
★★☆☆☆(金融商品によって異なる)
〇必要になる資金
商品によって異なるが、最低1万円程度から可能。
■まとめ
いかがでしたか?世の中にはさまざまな資金運用法があり、方法ごとに異なる特徴を持っている点がお分かりいただけたことでしょう。
どのような方法にもリスクは存在しており、リスクの大きさと利益は基本的に比例します。また、方法ごとに必要資金も異なるので、所有している資金の金額や目標を確認した上で、適した運用法を選ぶようにしましょう。