社長になるには?会社設立6つの手順とおすすめビジネス10選

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あなたは社長になりたいですか?もし社長になれるとしたら、何をしたいですか?

起業を本気で考えている方にとって、社長になるためのプロセスはとても大切です。企業形態によっては「社長」と名乗ることができませんし、出資方法を間違えるとトップの権限を奪われてしまいます。会社を立ち上げる前に、きちんとした設立手順を覚えておきましょう。

ここでは、社長になるために必要な「6つの会社設立手順」を解説します。また、それに加えて、この記事ではおすすめビジネス10選をご紹介します。やりたいことを見つけて、経営者としての道を歩んでいきましょう。

会社を設立するときに必要なのが、「会社名・企業詳細・類似商号調査・定款認証・資本金振込・登記申請」の6つです。あまり聞きなれない言葉もありますが、まずはこれらの言葉の解説を順番に見ていきましょう。

 

■【その1】会社名を決定する

会社設立で最初に行うのは、「会社名を決定すること」です。会社名には共通のルールがあるため、以下の点に注意しながら考えていきましょう。

 

〇表記のルール

会社名には、漢字・ひらがな・カタカナ・英数字表記が可能です。「ABC」や「123」など、英語表記のみ、数字表記のみでも会社名を決められます。記号に関しては、-(ハイフン)、&(アンバサンド)、,(コンマ)、’(アポストロフィー)が使用できます。

会社名が決定したら、「株式会社」の位置を決めましょう。「株式会社ABC」といった表記を前株、「123株式会社」のような表記を後株といいます。前株は厳かなイメージを与え、後株は親しみのあるイメージを与えてくれるとされています。

〇合同会社(LCC)の場合

会社形態を「合同会社 (LCC)」にする場合も、「株式会社」と同じ表記のルールに従います。合同会社とは、出資者全員が「間接有限責任社員」で構成される会社形態です。つまり、社員1人1人が出資者(株主)と取締役(役員)の両方を兼ねている状態です。

合同会社は、「社員1人でも設立可能であること」がメリットです。登録免許税に関しても、株式会社では15万円、合同会社では6万円です。株式会社よりもさまざまな費用が安くなるため、立ち上げるときの負担が減ります。また、合同会社にすると「複数の方に決定権を与えること」ができます。これにより、社内全体の意思決定が早くなるでしょう。

ただし、意見が対立してしまうと、合同会社では課題解決に時間がかかってしまいます。合同会社では、全員が「代表社員」です。代表取締役である「社長」が存在しないので、注意してください。合同会社は零細企業(スモールビジネス)扱いになるため、経営が軌道に乗ったら株式会社に変更するケースが一般的です。

〇分かりやすい会社名を心掛ける

短く、発音しやすく、インパクトのある会社名のほうが、多くの方々に覚えてもらいやすくなります。また、「会社名の由来」もすぐ答えられるようにしましょう。会社が有名になるほど、「なぜその名前になったのか?」と世間が注目してくれます。

ユニークな発想の会社名があれば、それだけで認知度は高まる可能性があるでしょう。

 

■【その2】会社に関する詳細を決定する

会社名が決定すれば、次は会社の中身についてです。会社の方向性やメンバーを決めるため、よく考えて慎重に決める必要があります。

では、具体的に決める内容について、以下で詳しく見ていきましょう。

 

〇事業目的

どのような事業を行うかについては、後に出てくる「定款(ていかん)」に記載します。定款とは、「組織・活動について定めた根本規則」を記した書面です。

事業内容を決める際には、一般的に事業目的も設定します。会社の幹となる部分のため、明確な事業目的を決めておきましょう。この事業目的は、会社のホームページを作成する場合に掲載するケースが多く見られます。

〇出資者

事業目的を決めただけでは、会社を設立することはできません。会社の資本金や運転資金を用意するためには、出資が必要となります。

出資には「発起設立」と「募集設立」があります。発起設立とは、会社立ち上げの手続きを行う「発起人(社長・役員)」だけで出資することです。一方で募集設立とは、発起人のほかに出資者を募ることを指します。

募集設立は手続きが複雑であるため、多くの中小企業は「発起設立」を選びます。また、募集設立を行った場合、出資した方は株主となり、発起人よりも上の立場として扱われます。そのため、事業資金が足りないときは、銀行などから融資を受けるケースが多くなっています。

〇取締役の人数

1人でも取締役を決めれば、会社を設立することが可能です。取締役に選ばれた方が代表取締役、つまり社長を名乗ることができます。登記簿謄本にも「代表取締役」と記載することができます。取締役会を設ける場合、3人以上の取締役を選定することが必要です。

また、取締役の最大人数を決めておきましょう。取締役の人数を多めに設定すると、敵対する株主が現れたときに、取締役を送り込まれる恐れがあります。会社設立時に「最小限の取締役人数」を定款に明記しておくことで、経営危機を未然に防ぐことが可能です。取締役の人数変更に関しては、株主総会の特別決議で行えます。

任期については、社長でも役員でも最長10年まで設定できます。任期を長くすることで、選任手続きの手間が省けたり、登記簿謄本の変更手数料が少なくなったりします。

しかし、一度任期を長くしてしまうと、解任させにくいデメリットもあります。任期途中の解任には、株主総会で「解任決議」を行うことが必要です。合理的な理由なく解任させると、残り任期分の報酬を「損害賠償」という形で請求されてしまいます。

一般的には、社長自身の任期を10年、そのほかの役員の任期を短めに設定します。身内であっても任期を短くすることが重要とされているので、コストとのバランスで任期を決めましょう

〇本店

会社の所在地である「本店」は、1カ所のみとなります。また、賃貸契約である自宅を本店にする場合には、大家の許可が必要です。賃貸契約書に「事務所等には使用しないこと」と記載されている可能性があるので注意が必要です。

本店用にオフィスを借りるときは、契約前に「会社の本店に使用する旨」を伝えましょう。この段階では会社設立をしていないため、賃貸オフィスを個人名義で契約します。会社設立手続きが完了したときに、会社名義へ変更しましょう。

 

■【その3】類似商号の調査を行う

類似商号調査とは、「同じ会社名が存在していないか?」を確認することです。原則、住所が違えば同じ名前の会社があっても登録できます。

しかし、既にある企業と同じ名前にしてしまうと、不正競争防止法に基づき訴えられる恐れがあります。また、自分の会社と同じ社名があると、お客様にも迷惑をかけてしまいます。

 

〇類似商号調査のやり方

類似商号の調査を行う場所は、「本店の所在地を管轄する法務局」です。法務局は、市町村単位で管轄しています。法務局に置いてある「商号調査簿閲覧申請書」に必要事項を記入することで、商号を確認できます(商号とは屋号の類。営業上、自分を表すのに使用する名称)。

安心して着実に商売していきたいのであれば、この類似商号調査をしっかりと行いましょう。この確認作業を怠ると、これまでの準備が無駄になる可能性が生じてしまいます。

〇ドメイン調査も行う

会社のホームページなど、Webサイト上で必要となるドメイン調査も行いましょう。ドメインは、インターネット上の住所に該当します。同じ名前の会社名があると、使用できるドメインも限られてしまいます。

ドメイン調査は、ドメイン販売サイトで行うことが可能です。購入前に使用できるドメイン名を検索できます。会社名に関連したドメインにできるかどうかで、集客効果も変わってきます

 

■【その4】定款を作成し、認証を受ける

「組織・活動について定めた根本規則」を記す定款は、WEB上にテンプレートがあります。定款作成用のテンプレートをダウンロードして、必要事項を記入していきましょう。後は、印刷して「公証人役場」で認証してもらうだけです。

認証してもらう公証人役場は、「本店所在地」の地域です。公証人役場は法務局に所属しているため、気を付けましょう。

費用に関しては、印紙代で4万円、公証人に支払う手数料で5万2,000円かかります。

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■【その5】資本金を振り込む

代表取締役になる人の預金口座に、出資金を振り込みます。預金口座は、個人の銀行口座でも、ゆうちょ銀行でも問題ありません。通帳のある口座を用意しましょう。

資本金を振り込むときは、定款の認証が終わってから行ってください。認証前に資本金を振り込むと、会社法規定に反してしまいます

無事に資本金を振り込んだら、「払込証明書」と「通帳の表紙・裏表紙・振込記載ページのコピー」を用意します。払込証明書とは、払込金額・日付・本店・商号・名前を記載した書類です。ワードなどで作成し、振り込んだ日時も払込証明書に記入しましょう。払込証明書には、左上と名前欄に代表印を押印します。

 

■【その6】法務局で登記申請を行う

会社を設立するためには、登記申請が必要です。法務局の登記申請手続きが完了すれば、無事に会社が設立されます。

では、以下で登録申請の方法について見ていきましょう。

 

〇登記申請の方法

まず、本店所在地を管轄する法務局で、必要書類を記入して提出します。後日、登記官が提出した登記申請書類を審査します。

不備がない場合は、10日ほどで登記完了です。不備があれば、電話による訂正依頼が来るため指示に従いましょう。

 

〇登記申請の注意点

登記では申請の際に、印紙代として15万円かかります。また、登記書類を提出した日が「設立日」になりますが、この時点では「登記簿謄本」を受け取ることはできません。

この登記申請が完了してから、登記簿謄本を受け取ることになります。登記簿謄本を取得して、銀行で会社口座を開設すればビジネス開始です。

なお、現在では法務局に直接行かなくても、郵送やオンラインで申し込み可能になりました。必要書類は、法務局のホームページでダウンロードできます。ただし、初めて会社を立ち上げる場合は法務局へ行き、分からないことを聞きながら記入したほうが安心でしょう。書類不備で余計な時間をかけてしまうより、スムーズに申請できます。

商業・法人登記申請手続:法務局

 

■おすすめビジネス10選!

無事に会社を立ち上げたら、集客して利益を上げていきましょう。しかし、具体的なビジネスプランは、なかなか簡単に決められるものではありません。

そこで次からは、注目度の高いビジネス10選をご紹介します。やりたいことがなかなか決まらない方のために、ビジネスヒントのきっかけにつながれば幸いです。

 

〇WEB作成ビジネス

現在ではインターネットの普及により、オンラインショッピング、ホームページ、ブログなど、さまざまなサイトが存在しています。そのようなサイトを作成するのが、WEB作成ビジネスです。WEB作成ビジネスでは、「より多くのユーザーが見てくれるサイト」に着目して、ビジネスを行います。

個人から企業まで、サイト構築をしてほしいと思っている方は大勢います。自分で勉強して一から作るするよりも、WEB作成スキルに特化した業者に依頼したほうが早くて便利です。専門分野であり需要がとても多いため、WEBを利用したビジネスは今後ますます求められるでしょう。

案件にもよりますが、ひとつのサイトを構築して10万円が相場とされています。しかし、クライアントとの細かい打ち合わせが必要であり、ライバルが多い部分が難点といえます。

また、何かトラブルが起きたときに、迅速に対応するスキルが問われます。サイト構築後のアフターサービスもしっかりしていないと、すぐに評価を下げられてしまう分野です。

〇お酒ビジネス

「立ち飲み」「チョイ飲み」「相席飲み」など、お酒を利用したユニークなビジネスです。お酒が好きな方は、若年層からシニア層まで幅広く存在するので、さまざまな層から需要があるビジネスといえるでしょう。「お酒」をテーマに据えて、少し発想を変えるだけで、さまざまなビジネスに派生させることも可能です。

また、常連の方が増えれば、毎月安定した収益が見込めます。SNSの情報拡散に向いている分野のため、集客もしやすいメリットがあります。

しかし、飲食業界は経営難に陥りやすいので注意しましょう。当時は大ブームを巻き起こした店舗でも、2年後~3年後にはお店を畳んでしまうケースがよくあります。全国展開の有名チェーン店も、毎年生き残りを懸けたサービス提供をしています。他店との差別化を図りつつ、時代のニーズをシビアに見極めることが大切です。

〇教室ビジネス

長期で安定して稼ぐことができるのが、教室ビジネスです。生徒が集まりやすい分野ならば、より高い水準で収益が見込めるでしょう。

例えば「学習塾」や「書道教室」などは、習い事として子どもに通わせる親御さんが大勢います。「テニススクール」や「水泳スクール」も長年続いているため、流行に左右されにくい分野といえるでしょう。

教室ビジネスは、幅広い分野から決められることも魅力です。最近では高齢者向けの「パソコン・スマホ教室」や「麻雀教室」など、ユニークな教室が注目を集めています。「よく分からないから使っていない」「ルールが分からないから遊んだことがない」という需要を考えれば、新しいビジネスを容易に生み出せます。

しかし、設備投資や人件費などで初期費用がかかってしまうデメリットがあります。開催してもなかなか生徒が集まらず、すぐに倒産してしまうこともあるため注意しましょう。

〇代行ビジネス

「宿題代行」「恋人代行」「友だち代行」など、少し前までは存在しなかったビジネスが、最近では人気を集めています。「冠婚葬祭の出席」や「運転代行」なども需要があります。

誰かが代わりになってくれないかな?」という気持ちに焦点を当てれば、今後も進展が見込めるビジネスです。さまざまな代行を請け負う「便利屋」として事業展開していくのも、ひとつの手でしょう。

しかし、事業内容によっては賛否両論があります。宿題代行では、「子どものためにならないのでは?」といった、保護者や世間からの疑問の声が多くあがります。クレームにつながりやすいビジネスのため、しっかりとしたビジネスプランルールを考える必要があります。

〇レンタルビジネス

断捨離やミニマリストが流行したこともあり、最近では「家に物を置かない」という考え方が支持されています。そのため、必要な物はそのときだけレンタルする方が増えています。

また、「試しにちょっとだけ使ってみたい」と考える方もいるでしょう。ゲームや楽器など、体験してみて楽しそうだったら購入するケースは多く見られます。「おっさんレンタル」がメディアで紹介されるようになってから、レンタルビジネスはさらに注目を浴びています。

ただし、レンタルビジネスはユーザーとのトラブルが発生しやすい分野です。故障や紛失、延滞などが起きた場合、ユーザーが納得できるマニュアルを考える必要があります。

〇カフェ

ユニークなカフェが次々と生まれているため、とても話題性のあるビジネスです。文房具カフェや落書きカフェ、ハンモックカフェ、足湯カフェなどがあります。動物カフェの場合、犬カフェや猫カフェ、ふくろうカフェ、ハリネズミカフェなどが人気を集めています。

ただし、カフェも飲食店の一種となるので、衛生面には十分気を付けてください。特に、動物カフェでは「衛生的に良くない部分がある」とニュースでも取り上げられています。「徹底した衛生管理がモットーの動物カフェ」を展開すれば、事業成功につながるかもしれません。

〇農家

従来の方法では経営難に陥りやすい農家ですが、流通基盤を整えることで新たなビジネスチャンスにつながるでしょう。「新鮮な野菜を食べたい」と考えている健康志向の方が、年々増えています。そのため、農家の採れたて野菜を「すぐに手に入れられる」方法が確立すれば、農家の将来も明るいはずです。

しかし、農家は台風や地震の影響で、農作物の収穫が困難になるケースがあります。流通基盤を整えても、天災による被害は避けられません。そのため、リスク回避が難しいビジネスといえるでしょう。

〇婚活ビジネス

現代では若い世代の結婚離れが加速化していますが、婚活ビジネスはその原因を解決するためのビジネスです。最近では「お見合い」が再び評価されるようになり、お見合いの場を設ける業者も出てきています。

社会的貢献度の高いビジネスのため、国や自治体が後押ししてくれる可能性があります。「結婚のプロ」である仲人カウンセラーを雇う必要も生じてきますが、小規模でも事業展開できるビジネスです。ただし、大手のライバル会社が多いため、入念な経営戦略が必要です。

〇移動販売ビジネス

移動販売ビジネスとは、昔ながらの屋台を現代風にアレンジするビジネスです。代表的なものとしては、クレープ屋やたこ焼き屋などが挙げられるでしょう。イベント会場やアミューズメント施設、スタジアムの周辺でも営業することが可能であり、人気を集めています。

種類や場所を変えれば、ヒットする可能性が高いビジネスです。フランチャイズ化して、全国各地で販売する方法もあります。低賃金で開業できるのが魅力ですが、季節や天候によって売上も変わるのが難点です。

〇サロン経営

人の悩みや痛みを解決するのが、サロン経営です。コーチングやカウンセリング、マッサージなどで売上を伸ばしていきます。占いもカウンセリングの一種であり、やり方次第で高い収益が見込めます

ほかのビジネスよりも集客が重要視され、情報拡散能力の高い方が向いている分野です。1人で自宅開業できる強みはありますが、軌道に乗るまでに時間がかかります。ターゲットや事業計画を明確にして、趣味で終わらせないように気を付けましょう。

 

■まとめ

社長になるためには、さまざまな手続きが必要です。申請が完了するまでに、どうしてもお金や時間を費やす必要があるでしょう。しかし、申請した内容は会社の決まりごとであり、今後の経営においてとても重要な情報となります。

また、会社設立の手順を間違えてしまうと、会社法規定に反してしまいます。せっかく考えた経営方針が無駄にならないためにも、正しい順番で手続きをしましょう。

やりたいことを始めるためには、地道に準備をしなければなりません。社長になるためには、避けては通れない道です。労力やコストを考えた上で、本当にやりたいことを始めましょう。

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