今回の記事では、「お金を借りる」ということについて考えてみましょう。
○給料日まであと1週間。臨時出費で生活費が足りない
○自宅購入や自動車を購入するのに、ローンを組む
○賃貸アパートを経営するため、金融機関からアパートローンを組む
○中小企業を経営していて、融資を考えている
これらはすべて「お金を借りる」ということです。このほかにもたくさんの種類があります。
お金を借りるときは、共通した注意点があります。
目次
■お金を借りる時にはここに気を付けよう!
△借入金の返済は「元本+金利」
10万円借りるとき、金利は15%と説明を受けました。この時、返済は全部でいくらか、計算してみましょう。
(借入金)10万円
(返済金)10万円(①)+1万5,000円(②)=11万5,000円
借りたお金は10万円なのに、返済金は11万5,000円。
それぞれ、①元本、②利息、③合計額という名称がついています。
借入先に「借入手数料」などがあれば、更に返済金は増えます。
この利息額を見て、「あれ?」と思った方はとても鋭い方。その方は先に、当記事後半の「年利について」をお読みください。
さて、お金を借りる時は「返済日」が存在します。この返済日まで返さないと、
「延滞金」が発生する場合がほとんど。 お金を借りることは、危険なことと考える人も多いのですが、そんなことはありません。あるビジネスマンを例に考えてみましょう。
社会人10年目のAさん(33)。2週間後に今後のキャリアを考えると、絶対に繋がりたいある経営者からパーティに誘われました。ただ、なんとパーティは給料日の2日前。金銭的な余裕がありません。そこでAさんは、カードローンでお金を借りることとしました。
当初、お金を借りた経験がなく怖かったのですが、利息と返済日を確認。最低限の借入金とし、給料日後には利息を含めて全額を返済しました。
このAさんの行動は、「ギャンブルの要素」が1ミリもありません。それは、Aさんが「スケジュール通り」にお金を借りて、返済をしているからです。この利息は、何%にしてもよいのでしょうか。実は利息に関して、2種類の法律があります。
☆利息は〇%まで可能?
利息に関しては、「利息制限法」と「出資法」という2種類の法律があります。
○利息制限法
利息制限法によると、借入金は元本の額に利息をいくらまで借りられるかという制限を定めています。
<利息制限法による上限利息>
10万円未満 |
年20% |
10万円以上~100万円未満 |
年18% |
100万円以上 |
年15% |
この法律を超えた借入利息は「無効」です。借り手が同意した、書面が残っているなどの主張は通じません。ところが、お金を借りるにはもうひとつ法律があります。それが「出資法」です。
○出資法
<出資法による上限利息>
個人間 |
年109.5% |
貸金業者 |
年29.2% |
この2つの「利息に関する法律」があるため、少し前までは年30%の金利も堂々と回収されていました。年30%は、出資法には届きませんが、利息制限法違反のはず。それはなぜでしょうか。
それは、利息制限法を超えた貸付には「罰則がない」ためです。また、貸金業者が貸す場合には特例があり、それらが根拠となって年30%の金利などもまかり通ってきました。
「過払い訴訟」というCMを覚えているでしょうか。この利息制限法と出資法のあいだの金利を「グレーゾーン金利」といい、数年前に弁護士や司法書士が中心となって「過払い訴訟」として返還を進めたのは記憶に新しいところです。
■どこからお金を借りられるか知ろう!
お金を借りることは、法律によってフォローされているのですね。では、お金を借りる必要があったとき、どこにいけばいいのでしょう。
住宅ローンや、経営者の方が融資を借りる時は、金融機関の窓口で厳格な審査が必要です。ただ、先ほどのビジネスマンAさんのように、「ちょっと数日借りたい」という方に厳しい審査は必要ありません。Aさんは、夜8時に自宅に近い銀行のATMに行ったそうです。
△借入機関による利息の違い
銀行のATMの横に、正方形のBOX席のようなところがあるのをご存知でしょうか。いま、銀行などの金融機関では、こちらからお金を借りることが可能です。お金を借りるとき、できれば担当者にあれこれ聞かれたくありません。早くからカードローンの世界では、このような「無人借入機」が導入されました。プライバシーにも配慮をしていると言えますね。
△大切なのは「属性」
無人借入機を見てみると、「金利○%~○%」という書き方をしています。金利は取り扱い期間によって同じではないのでしょうか。これは、お金を借りるにあたって、金利を決めるのは「借入者の『属性』が優先する」という特徴があるからです。
属性とは、「借入者にお金を貸した時、問題なく返済される可能性」を指します。
たとえば、
① 年収
② 会社員や自営業か
③ 過去の借入時に返済遅延などはないか
④ 家族
①・②は返済可能性に深く関係していることはわかります。③・④は意外でしょうか。
③ 過去の返済遅延
前回はA銀行にお金を借りて、期限まで返せなかったけど、今回はB銀行だから大丈夫。残念ながら、お金を借りる時にこんな思惑は通用しません。「ブラックリスト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。金融機関の大半は、このブラックリストを共有しています。
よく聞くのがクレジットカードです。毎月の決まった日に返済するクレジットカード支払いが遅延している人は、新たなクレジットカードを作成できなくなることはよく知られています。実はこの返済不能の履歴は、カードローンや住宅ローンなどの、お金の貸し手にシェアされている場合も多い、ということはあまり知られていません。少額だから、と返済を甘くみていると、いざローンが必要な時に断られてしまいます。
④ 家族
返済者に家族がいる場合は、金利が下がる可能性もあります。ただ、この場合の家族とは、「収入を得ている人」に限定されます。返済者の返済能力がなくなっても、家族が代わりに返済してくれる可能性が高い、と見られるのですね。
カードローンは、この「属性」によって金利が変わります。ただ最近は「年利一律15%」を打ち出したセブン銀行のように、属性や利用限度額に関わらず一定金利を打ち出しているところもあります。新たな潮流ですね。
参考:セブン銀行ホームページ http://www.sevenbank.co.jp/
■年利について知ろう!
△「年利」のマジック
さて、年利について一通り説明したところで、当記事最初の計算式を再び見てみましょう。
(借入金)10万円
(返済金)10万円(①)+1万5,000円(②)=11万5,000円
10万円借りたときの、金利が15%という計算式でした。
これを見て、「あれ?」と思われた方は鋭い!という話もしました。
この金利15%の元金を4カ月に分け、4回払いで返済したとして計算してみましょう。
総合計11万5,000円÷4=28,750円
①1回目の返済 115,000円-28,750円=86,250円
②2回目の返済 86,250円―28,750円=57,500円
③3回目の返済 57,500円―28,750円=28,750円
④4回目の返済 28,750円
たとえば3カ月目の返済では、元金(残債)57,500円に15%をかけると8,625円で
おさまり、28,750円は利息として払い過ぎです。一方、金利から見てみましょう。
総金利15,000円÷4=3,750円
このように、「金利」ひとつとっても、様々な計算式があります。複雑なため、現在は
「実質年率」という、「1年でどれくらいの金利なのか」を示さなくてはいけないことに
なっています。
■「借り癖」のある人は、マネープランを作成しよう!
「お金の借りる」ことについて、様々な情報をお伝えしてきました。お金を借りるにあたり、最も大切なのは「マネープラン」を作成することです。マネープランの作成は、「返済日の設定できない借入金をしない」ことと、「少額借入だから問題ない」という考えを捨てることです。当たり前と思うでしょうか。
実は、多重債務者や返済不能の「スタート」は、ほとんどの場合、このどちらかが原因といわれています。
△返済日の設定できない借入金はNG
お金を借りるときは、必ず返済日と返済期間を厳守すること。なんとなく借りて、返せなかったら更に借入…では、ブラックリストに載るどころか、多重債務者に向かって進んでしまうことになります。
借りたお金は「資産」ではありません。本来そこにはないお金と認識して、返済計画を厳守するようにしましょう。
△「少額だから問題ない」は危険
また、「少額だから危険性は少ない」というのも誤解です。少額借入で当面のピンチをしのいだら、気持ちも大きくなりがちです。
お金を借りた時は、マネープランこと「家計簿」をつけることをお勧めします。日頃の支出をただ記載するのではありません。費用で抑えられるのはないか、少しでも返済に回せるものはないかを意識するために、家計簿をつけるようにしてください。
今は、なんとスマホで家計簿をつけられる時代です。返済額も含めた家計の「見える化」によって、計画的にローンを利用できます。参考:https://moneyforward.com/
また、カードローンは「繰り上げ返済」が可能です。計画的な支出管理で余剰金となった部分は、返済額に充てる習慣が必要です。
■ 返済計画を守るなら、安心のカードローンを役立てよう!
△「お金を借りる」ことを理解して、必要な投資を
先ほどのAさん。経営者と近づけたことで彼のビジネスチャンスを広げ、カードローンで借りたお金の何倍も売上として戻ってきたそうです。当然Aさんの給与もうなぎ上りです。このように計画性を立て、「お金を借りること」を理解して取り組んだ投資は、とても効果的なものと言えるでしょう。
必要以上の借入金を勧めることはないですが、それが理由でみすみすチャンスを逃すのであれば、「必要な投資」は行うべきです。その時に、金利や返済条件など、情報が「見える化」されているカードローンを恐がることなく、安心して利用することをお勧めします。
■まとめ:お金を借りる時の賢いマネー術
お金を借りる時に気をつけることを記載しました。「お金を借りる時の法律」「お金を借りる時の借入先」「年利」「マネープラン」。これらは、お金を賢く借りるためのマネー術といえます。計画のもと、カードローンを「活用」して、チャンスを得るようにしたいものですね。
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