平成20年度の税制改正によって導入が開始された「ふるさと納税」をご存じでしょうか?
ふるさと納税は、都会に住む人の所得が地方に住む人の所得に比べて高く税収も多いため、その格差をできるだけ多くの地方に還元するために生まれました。地方の財政を健全化させる素晴らしい仕組みです。都市と地方の税収格差の是正のために導入されたこのふるさと納税は、手続きも簡単で、しかも利用すれば5つのメリットがあります。
特に「税金対策になる」「納付先の自治体の特産品がもらえる」という2つのメリットをうまく活用すれば、お金を作ることも可能なのです。
ただ、ふるさと納税が適用される限度額があったり、自治体によってもらえる特産品に違いがあります。
ですので、特に人気が高い5つの自治体のふるさと納税をご紹介し、その特産品を使ってあなたがお金を作る方法をお伝えします。
まずは、ふるさと納税をうまく活用して、「実質2,000円で日本各地の特産品がもらえる仕組み」を理解しましょう。
目次
実質2,000円の負担で特産品をお得にもらえる仕組み
ふるさと納税の仕組み
10,000円の寄付で8,000円返ってくる!
仮に東京に住むあなたが地元の山口県に10,000円ふるさと納税するとしましょう。そうすると、支払った10,000円のうち、8,000円があなたの住む東京で支払うべき税金から控除されるのです。
つまり、実質的に8,000円返ってくることになるのです!
2,000円の負担で5,000円の特産品がもらえる!
さらに、10,000円の寄付をすることによって、例えば有名ブランドの産地牛肉や海産物など、うまく活用すれば5,000円程度の特産品を貰える場合が多いのです。
つまり、10,000円の寄付で5,000円の特産品がもらえて、しかも上記のように10000円のうち8,000円が戻ってきますので、2,000円の負担で5,000円を貰えることになるのです。
これは、自治体にとっても納税してもらえるというメリットがあるので、納税先に貢献できます。寄付した金額はその年の所得税と、翌年度の個人住民税より控除されます。
★2015年1月より、税金控除額の上限が1割から2割に拡大しました!
年収400万円で共働き夫婦の事例
具体的に、東京在住、年収400万円で小学生の子ども一人の夫婦が共働きの家庭がふるさと納税を利用する事例について見ていきましょう。
40,000円の寄付
まず、10,000円×4回分、合計40,000円ふるさと納税することにしました。これは1つの自治体に4回でも、4つの自治体に1回ずつでもかまいません。 ここでは、山口県に4回行うこととしましょう。
ふるさと納税先の自治体が受け取り
この40,000円を山口県の各自治体が受け取ります。
支払いは「ふるさとチョイス」というサイトからクレジットカードなどで簡単に支払うことが可能です。
その自治体が、納税者の自治体に対して納税者の控除に必要な情報を連絡
この場合だと山口県が東京都に対し、この家族が40,000円のふるさと納税をしたということを連絡します。この手続きには1カ月程度かかるようです。
居住自治体が40,000円のうち、翌年度の住民税から38,000円を控除
上の通知によって、東京都は住民税を控除します。
この時、平成26年に支払ったふるさと納税は平成27年の住民税の控除対象になる事に注意しましょう。
実質2,000円の負担のみで、納付先の自治体から特産品を受け取ることができる!
そして、いよいよお楽しみの特産品受け取りです。受け取れるまで数週間から数ヶ月かかることもありますので、納付前に受け取り時期をよく確認しておきましょう。
ふるさと納税5つのメリット
メリットその1.税金対策になる
所得税・住民税が安くなる
通常、例えば東京に住んでいたら東京に住民税を支払います。ところが、都会に人口が集中するようになって以来、税収の格差が広がる一方で、中には夕張市のように財政破綻する自治体も出てきました。
そこで希望の自治体にふるさと納税することで、その自治体にも税収が入り、しかもふるさと納税した人にとっても東京で支払うべき所得税と翌年の個人住民税から控除されるというメリットがあるのです。
サラリーマンは確定申告が不要
さらに、サラリーマンにとってうれしいことに、確定申告が不要になる制度もあるのです。 それが、「ワンストップ特例制度」というものです。
面倒な確定申告をしなくてすむということで、サラリーマンにとってはうれしいですが、以下の4つの条件を満たした上で、自分でその特例に申し込む必要があります。
1.2015年4月以降にふるさと納税をしていること
2.ふるさと納税の納付先が5以下であること
3.確定申告をする必要がないこと(事業所得などがない)
4.寄附金税額控除に係る申告特例申請書をふるさと納税先に提出すること
メリットその2.納付先の自治体の特産品がもらえる
気になっていた特産品が選べる
テレビなどで特集していて「いつかほしい」と思っていた全国の特産品を、あなたの意思で選ぶことができます。
いわば通販のような感覚で選択できるのです。選べる特産品は、納付金額によってかわります。
もらえる特産品一覧
自治体によってもらえる特産品の種類は実に多種多様です。地元の名産品が多いですが、有名旅館の宿泊券などもあります。
中には日本三景の「天橋立」で知られる京都府宮津市のように、1,000万以上の寄付をしてくれた人に、750万円相当の200平方メートルの宅地をプレゼントする構想もあったそうです。
もらえるふるさと納税の例
食べ物 | お米・パン |
コシヒカリ ブランド米等 |
肉・魚介類 |
ブランド肉 伊勢エビ ズワイガニ 鮮魚・干物等 |
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野菜・果物 |
ミカン リンゴ 野菜詰め合わせ 根菜類 等 |
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お菓子 |
アイスクリーム ケーキ 和菓子 等 |
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お酒 |
清酒 焼酎 ワイン 等 |
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加工品 | めん類 |
ラーメン そば うどん 等 |
調味料 |
しょうゆ 塩 砂糖 等 |
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その他 | 宿泊券等 |
ホテル宿泊券 イベント体験券等 |
生活雑貨 |
化粧品 日用品 自転車 等 |
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工芸品 |
民芸品 刃物 装飾品 等 |
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ゆるキャラ | 各地のゆるきゃらグッズ |
参考サイト
メリットその3.生まれ故郷でない自治体でも可能
ふるさと納税の寄附をする先は、生まれ故郷でなくてもよいです。
あなたが「支援したい」「応援したい」自治体に対して自由に寄付することができるのです。
もちろん自分の生まれ故郷に貢献したいというのが本来の目的ではありますが、例えば東北の復興のために東北の自治体に寄付しても良いですし、もちろんほしい特産品がある自治体に寄付するのも何の問題もないわけです。
メリットその4.使い道が指定できる
税金の使い道をあなたが決めることができるのです。これって、よく考えるとすごいことです。日本で唯一の税金の使い道を指定できる制度だからです。
メリットその5.複数の自治体から選ぶことができる
あなたの好きな自治体を複数選んで納税することができます。
無制限ではないですが、いろいろな候補地を後に上げる自治体も参考にピックアップし、限度額まで最大限活用しましょう。
お金を作る方法
特産品を売る
ヤフオク!で売る
ヤフオク!では色々なものが売れます。パソコンや中古車、さらにはなんと太陽光発電所が1.61億円から入札開始されるなど、法律に違反しない限りなんでも売れてしまいます。
ですので、手に入れた特産品をヤフオク!で売るのが一番早道でしょう。
ただし、賞味期限がある食品などは、そのことを明示して期限内に迅速に発送すべきです。生鮮品は避け、お菓子やお茶、瓶詰めのものなどがおすすめですね。
直接売る
店頭販売、フリマ、友人に売るなどもできます。または、知人で商売をしている人に卸売りをしてもよいですね。
経費削減に使う
直接売るわけでなくても、お歳暮・お中元・お見舞い品・お祝い品などに利用することで、本来支払う予定だったお金を節約することもできます。
間接的にではありますが、お金を作る方法ですね。
では、以下で人気が高く、しかもお金を作る方法につながりやすい自治体とそのおすすめの特産品を5つとりあげていきますので、参考になさってください。
おすすめ自治体その1.静岡県焼津市
お礼品数日本一の焼津市
静岡県焼津市の最大の特徴は、ふるさと納税をした後にもらえるお礼品数が日本一(2015年調べ)であることです。
その中から好きな特産品を選べるので、お金を作る方法が一番多くあるとも言えますね。
焼津市で狙い目の特産品
鰹節
焼津港に水揚げされた新鮮な鰹を原料として、昔ながらの手火山式で作られたこだわりの鰹節は全国的に人気が高いです。また保存も利くので、売りやすいですし、贈答品にも良いです。もちろん自宅で使用することもできます。
佃煮
鮪や鰹など、焼津港で捕れる魚を佃煮にしたものです。生の魚や冷凍された魚も良いのですが、売る目的であれば佃煮の方が保存性に優れ良いと思います。
高級茶
お茶どころ静岡ならではの品質のよいお茶も豊富な種類から選ぶことができます。特に掛川のお茶は品質が日本トップレベルで、通に喜ばれる味です。
おすすめ自治体その2.長崎県平戸市
「ふるさと納税大国」長崎県平戸市
長崎県平戸市は、「ふるさと納税大国」と呼ばれるほど、市を上げてふるさと納税に取り組んでいますので、取り扱っている特産の品目も全国トップクラスを誇ります。
海の幸・山の幸はもちろん、体験や宿泊のチケットも豊富です。
平戸市で狙い目の特産品
干物
有明海の豊富な漁場で捕れる魚介類の干物は、日持ちも良くお酒のつまみとして人気も高いです。地元手作りの干物は売る目的で手に入れても損はありません。
南蛮菓子「カスドース」
長崎は江戸時代にオランダと交易があり、カステラの名産地として有名です。ただ、カステラは全国のスーパーなどで手に入れることができますが、平戸名産の「カスドース」というカステラに卵黄を浸したお菓子は珍しいのでほしい人も多くいるでしょう。
おすすめ自治体その3.山梨県甲州市
ワイン発祥の地、山梨県甲州市
日本におけるぶどう・ワイン発祥地である山梨県甲州市。
もちろん、ワインで有名なのですが、それだけでなくそのワインを飲んで育った「甲州ワイン豚」、さらにはぶどうやももなど、自然の豊かさをアピールするような特産品が目白押しです。
甲州市で狙い目の特産品
ワイン
甲州市の名産品、勝沼のぶどうを使ったワインは、国産のワインでは歴史も古く銘柄も多いことで有名です。
甲州ワイン豚
ワインを飲んで健康に育ったワイン豚(わいんとん)は、豚肉特有のくさみが少なく、脂身もさらっとしているので女性などカロリーが気になる人に大人気です。販売目的であれば、保存の効くソーセージやベーコンが適しています。
おすすめ自治体その4.新潟県魚沼市
こめどころ、新潟県魚沼市
お米の産地をアピールしふるさと納税の特典にしている自治体は多いですが、ここでは特に品質に定評があり、ヤフオク!でも継続的に売れている新潟県魚沼市のお米をご紹介します。
魚沼市で狙い目の特産品
お米
北魚沼産のコシヒカリは最高級のSSランクの品質をもつお米です。水質の良い信濃川の水と肥沃な大地で作られたコシヒカリを食べるのも良いですが、売ることももちろんできます。ただし、新米は10月以降でないと手に入りませんのでご注意下さい。
清酒
最高級コシヒカリを使って作った 清酒も人気の品です。精米比率の高い純米酒なので、お酒好きにはたまらない品です。
おすすめ自治体その5.高知県須崎市
豊富な海の幸が捕れる高知県須崎市
豊富な漁獲高を誇る高知県須崎市は、鮪や鰹、伊勢海老なども捕れます。
そういったものを自分で楽しむためにもらう方法もありますが、お金を稼ぐ方法としてもっと良い選択肢もあります。
須崎市で狙い目の特産品
万能包丁・まな板
魚の産地である須崎市は、それをさばく包丁も有名な特産品です。日本三大刃物の一つ、土佐打ち刃物である「万能包丁」は、10,000円以上の寄付でもらうことが可能です。料理人など包丁の品質にこだわりがある人に売ることが可能です。また、四万十桧を使ったまな板も人気です。
伊勢海老
生きたまま新鮮な伊勢エビが届きます。確実に受け取れるように確認の電話をしてからの発送になるようです。
伊勢エビは数日で弱ってしまうので、売れるまで待つというよりは、先に売り主を見つけてからもらうようにするか、パーティーなどで出すために取り寄せる方法をとられると良いでしょう。
これら5つの自治体はほんの一例です。
他にもお金を作る方法につながるふるさと納税は全国にたくさんありますし、今後新たに出てくることも十分考えられます。
まとめ
お金を作る方法としてふるさと納税をご紹介してきました。
5つのメリット
1.お礼の品がもらえる!
2.生まれ故郷でなくてOK!
3.税金が控除される!
4.使い道を指定できる!
5.複数の自治体から選べる!
これらを利用して、限度額ぎりぎりまでお金を作る方法として活用なさって下さい。
そして、これらの他にもふるさと納税には大きな社会的意義があります。
例えば、広島県神石高原町で行われている取り組みは、「2020年の東京オリンピックまでに広島県の犬の殺処分をゼロにする」というものです。この自治体にふるさと納税をすると、寄付金額の95%がピースウィンズ・ジャパンが運営する「ピースワンコ・ジャパン」の活動資金になり、犬の譲渡の促進や保護犬舎の建設などに使われます。
それ以外にも、介護問題、貧困問題、環境問題、災害支援、地域伝承などを応援するふるさと納税もたくさんありますので、社会貢献をしながら節税する、そんな取り組みもとても素晴らしいことだと思いますよ。