生命保険や医療保険は実際に目に見えるものでもなければ、保障が分かりにくいです。保険料は取られるけど、「加入しておけば安心な気がするし」と加入する方が多いようです。保険会社に勤めている知り合いや親から言われて加入している人もいます。
しかしながら、保険の営業をしている方はノルマを達成するため等の理由で、あなたに本当は必要ではない余計な商品を売っているかもしれません。そんな保険に入れば無駄にお金を払うことになります。
自分に必要な保険を取捨選択すれば、保険料を適正にすることができます。そこで今回は、あなたにとって保険は必要なのかを考えます。そこで、必要であればどのような保障が必要なのか、保険を買える場所や比較できる場所をご紹介します。
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①保険ってわかりにくい、でも高い!
保険がとっつきにくいと思う点は
- 言葉が分かりにくい点
- 商品が多く、複雑な点
などがあげられると思います。ここではこの順で疑問に答えていきます。
1.言葉が分かりにくい点
ここで簡単に保険の言葉について整理してみたいと思います。難しい言葉があったらここに戻るとわかりやすいと思います。公的な保険と民間の保険に関しては後で詳しく説明します。
保険用語 | わかりやすくするとこんなかんじ | 具体例 |
生命保険 | 人の生命などにかかわる損失を補う保険 | |
医療保険 | 公的なものと民間のものがある。病気やけがの治療のための保険 |
公的保険・・・健康保険等 民間保険・・・A保険会社の保険等 |
解約返戻金 | 保険が解約や、契約者の違反で解除されたときに払い戻される金額 | |
特約 | メインの契約に追加してはいれる保障。オプション | 通院に備えて通院特約を付ける |
給付金 | 入院したときや手術の時に支払われるお金 | 入院したときに給付金が○○円です。 |
保険契約者 | 保険契約を結んで権利と義務を持つ人 | |
約款 | 保険の契約の取り決めを書いたもの | |
ご契約のしおり | 約款のかんたんにまとめたもの | |
配当金 | 保険会社ののお金が余ったときに支払われるお金 | |
保険金 | 死ぬ、満期まで生存した等のときに支払われるお金 | 被保険者のAさんが死んだので、受取人のBさんに保険金が支払われた |
保険料 | 保険会社に払う料金 | 月に保険料として○○円払う |
保険事故 | 保険金を受け取れる事故 | Aさんが病気で死亡した |
免責事由 | ○○には保険金を払いませんよという理由 | 契約時に嘘の告知をしたので、保険金を支払いません |
被保険者 | その人が死ぬ、病気、けがなどになった時に保険が支払われる人 | |
受取人 | お金を受け取る人 |
Aが死んだらBが保険金を受け取る |
2.商品が多い点
日本では生命保険会社免許を持っている会社が41社あります。(H27年7月21日現在)それらの企業がそれぞれいくつもの商品を出しているので、商品ごとの区別が付きにくいのです。しかしながら、生命保険は、「定期保険」「養老保険」「終身保険」と言われる3つの保険の形が基となっています。この3つの保険を改造したり、いくつもの特約を付けたりして各会社は商品を作っています。後で事例とともに内容を書いていきたいと思います。
②自分に保険って必要なの?
ここまで見てくださっている方は本気で保険への加入を考えている人だと思います。
でもちょっと待ってください。本当に保険へ加入する必要がありますか?さっき上の表で公的な保険と民間の保険があるとかきました。そこで、あなたが加入している公的な医療保険について説明していきたいと思います。
公的医療保険って何?
みなさんは病院などに行ったときに窓口で「保険証出してください」と言われませんか?あの保険証、公的保険を受けている証なのです。会社員などの方は「健康保険」というものに加入しています。窓口で3割負担等の支払いになるのは公的医療保険から残りの保険料が出ているからです。公的医療保険は加入している人とその家族など(被扶養者と呼ばれる「養われている人」)が、医療を受けるときに必要なお金が一部負担されます。日本では「国民皆保険制度」といって、すべての人がみんな公的医療保険に加入することになっています。これは本当にすごいことなのです。例えば、アメリカでは国民皆保険ではないので、救急車を呼ぶのにすらお金がかかります。また、○○保険に入っているからそこの提携の病院に…なんていうことが普通にあります。そうなったら、体がきつくても病気のことを考えてられません。
100万円分の医療を受けても支払いは10万円以下!?高額療養費制度
高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)とは、公的医療保険における制度の一つで、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html)
簡単にいうと一か月にかかった医療費がとても多くかかったときに、お金が戻ってくる制度です。 この制度では年齢や所得によって本人が支払う医療費の上限が決まっています。H27年1月から制度の改正があり、H27年1月診療分から70歳未満の人は下の表のようになりました。
所得区分 |
ひと月当たりの自己負担限度額 |
年収約1160万円~ |
252600円+(医療費-842000円)×1% 多数回該当は140100円 |
年収約770万円~約1160万円 |
167400円+(医療費-558000円)×1% 多数回該当は93000円 |
年収約370万円から770万円 |
80100+(医療費-267000円)×1% 多数回該当は44400円 |
~約年収370万円 |
57600円 多数回該当は44400円 |
住民税非課税者 |
35400円 多数回該当は24600円 |
もし、70歳未満で年収が約370万円から770万円の人が100万円の医療を受けたとすると、
80100円+(1000000-267000円)×1%=87430円の支払いでよいことになります。この制度を知っていると医療費がかなり抑えられることが分かります。
さらに、家族で医療費を合算できる「世帯合算」や、直近12か月間に3回以上高額療養費の支給を受けている人に「多数回該当」という仕組みがあるので、さらに医療費が安くなる場合もあります。高額療養費は支給の請求の権利が消滅の時効は、診療を受けた翌月の月の初日から2年となっています。
しかしこの制度では食事代、居住費、個室などに入院した場合に取られる差額ベッド代(入院1日当たり数千円から数万円)、先進医療費用は保障されていないので、支払いをしなければいけません。
病気やけがの時にお金が出る傷病手当金
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139)
要するに、けがや病気で働けなくなったら会社からお金が出ますよって話です。
傷病手当金は、次の(1)から(4)の条件をすべて満たしたときにお金が出ます。
(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
仕事が原因の時は労災保険からお金が出ます。
(2)仕事に就くことができないこと
お医者さんなどの意見を基に仕事の内容によって判断されます。
(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
仕事以外の理由での病気やケガの療養のために仕事を休んだ日から連続して3日間待期の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。有休や土日祝日は待期扱いとなります。
(4)休業した期間について給与の支払いがないこと
給料が支払われている期間は傷病手当金が出ません。ただし、給料があっても、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が出ます。
お金が出る期間は、支給開始した日から最長1年6か月です。支給される傷病手当金の額は標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)です。具体的には標準報酬日額は1万円の人には傷病手当金で1日に6667円の収入があるわけですね。
これらは公的な医療保険で、基本的に会社員と呼ばれる人が加入しています。他にも企業によっては福利厚生がある場合がありますので、一度調べてみるといいかもしれません。
高額療養費・傷病手当金・福利厚生+貯蓄で医療費がまかなえると考える人は医療保険に入る必要はないといえます。また、葬式代等をまかなえる資産が場合にも生命保険は必要ありません。(資産が大きく、相続税がかかる人等は例外です)
また、「貯蓄はさんかく保険はしかく」と業界で言われます。これは、貯蓄はお金を貯めている間は保障が足りません。しかし、保険では最初から保障されますよと言う売り文句です。しかし、それを逆手に取ると、貯蓄を早くためてしまえば保険は必要ないし、保険料から脱出できるということです。
③生命保険の選び方
さて、ここからは生命保険の選び方について解説していきます。先ほど、「定期保険」「終身保険」「養老保険」という言葉を話しました。ここで詳しく説明していきたいと思います。
定期保険とは
定期保険は保険期間が決まっていて、その間に死んだ場合に保険金を受け取れます。メリットとしては保険料も安く、必要な時期分の保障を作るのに適しています。解約返戻金はほぼありません。また、保険の契約期間が終わったときに満期保険金と呼ばれるものがありません。いわゆる掛け捨てと言われる保険です。いずれ貯蓄をため、保険から脱出すると考えている人は定期保険を利用すればいいと思います。また保険にもその時々でよい商品が出てきます。定期的に保険を乗り換えることを前提としている人には定期保険が向いています。
しかしながら、デメリットもあります。契約期間が終了して、新しい保険に入り変えるような場合に体調不良が見つかると保険に加入できなかったり、保険料が高くなったりします。
・定期保険の例:30歳から20年間保険金額3000万円で保険に加入し、子供の養育費に備える。
終身保険とは
終身保険は保険期間が一生涯続きます。そのため、加入している限り死んだときに必ず保険金が支払われることがメリットです。保険料の支払いは○○歳まで(60歳まで等)と決まった年齢に終わるように作られています。終身保険は貯蓄性があるので、解約返戻金が貯まります。デメリットとしては定期保険に比べて保険料がかなり割高です。
・終身保険の例:30歳の時に60歳までに支払いを終えるようにして葬式代や、相続費用のために死んだときに1000万円をもらう保険に加入する。
養老保険とは
養老保険は機関が決まっています。期間中に死ねば期間中に、期間終了時に生きていれば満期に保険金が支払われます。メリットとしては保険金が必ずもらえるという点で貯蓄性が最も高いことです。それに応じて3つの保険の中で最も保険料が高くなることがデメリットです。
私の考える保険の理想
保険はそもそも貯蓄があれば基本的に加入する必要がありません。そのため、貯蓄を妨げるような保険は良い保険とは言えません。必要な期間に必要な保障さえあればいいと思うので、貯蓄が十分にたまる時期を見越して、定期保険に入ればいいと思います。
④医療保険の選び方
ここからは医療保険の選び方について書いていこうと思います。近年医療現場の環境が変化していて、入院日数が減ってきています。厚生労働省の「患者調査」では、退院患者の平均在院日数が32.8日となっています。(2011年患者調査)お年を召した方に目を向けると、65歳以上の平均入院日数は44.0日、75歳以上は49.5日となっています。また、7日以内の入院が約48.7%となっています。これは政策で医療費を削減するためということもありますが、今後もしばらくはこの傾向が続きそうです。もちろん生命保険と同様に貯蓄を持っていれば加入の必要はないわけですが、医療保険は加入するといいと思います。それには特約というものが関係してきます。
入院給付金はいくらにすべき?
入院給付金は入院一日につき○○円支払うといったものです。勘違いしないでもらいたいのが、日数に応じて定額で支払われるので、すべての治療費が出るわけではないという点です。また、保険商品によって日帰りの入院や一泊二日から保険料の出るものもあれば、数日たってから出るものがあるので注意が必要です。数日程度の入院なら何とかなるという人はさほど気にする必要もないかと思います。
さて、入院給付金日額はいくらかということですが、厚生労働省の資料によると、差額ベッド代の平均金額は個室利用で7500円くらいだそうです。これをまかなうには入院給付金日数を8000円にすることでまかなうことができます。食事代など日常でもかかる分を追加でまかなおうとするのであれば10000円程度でまかなえると思います。しかしながら、住宅ローンなどを抱えている人はその期間にも支払いがあるので、少し入院日額を多めに設定するとよいと思います。また、日数の問題では、平均の入院日数を考えると60日型の商品でまかなえると思います。
特約ってどんなものがあるの?
特約はメインの保険の形(主契約)の上に乗せるオプションです。オプションなので、主契約をやめるときに一緒に解約することになります。オプションだけで契約することができません。わたしは主契約は公的保険と貯蓄である程度カバーできると思うのですが、特約部分は公的保険でカバーされない部分も保障されていることがあるため、利用するといいと思います。以下は特約の例です。
特約の種類 | 内容 |
生活習慣病特約 | 生活習慣病に手厚く備える保険 |
がん入院・診断・手術特約 | がんでの保険事故に支払い |
女性疾病特約 | 乳がんや帝王切開に対応 |
先進医療特約 | 全額自己負担の先進医療を受けた時に給付される |
通院特約 | 通院した際に日額などで給付 |
私が重要だと考えている特約は
・生活習慣病特約
・がん特約
・先進医療特約
の3つです。
生活習慣病特約は三大疾病と呼ばれる日本人の病気での死亡数上位3つの病気「癌、急性心筋梗塞、脳卒中」を手厚く保障するものです。厚生労働省のデータでは約55%の死因が三大疾病によるものです。そのため、がんになりやすい家計だと考えておられる方などには有効な保険であるといえます。
がん特約はがんと診断されたときに一時金を給付や、手術や入院の際に上乗せで給付金を支給といったものです。退院後の通院費などに使うこともできるので、あるといい特約だと思います。
先進医療特約は保険料が高くないにもかかわらず、健康保険や高額療養費制度が適応外としている先進医療を受けることができます。先進医療を受けること自体は確率的に低いですが、さほど高い保険料でもないうえ、公的保険でカバーされていない保障に備えられるのは魅力的です。
⑤保険の加入はどうすればいいの?
最後に保険の加入について解説していきたいと思います。
日本の保険会社は多数あります。個人の方が自力で保険に加入しようと考える場合は保険比較のサイトを利用することをお勧めします。同時にいろいろな企業の保険を比較することで、保険料などを安く抑えることが可能だからです。
他には保険を複数取り扱っている代理店に「どのような保険に入りたいか」「それを考えた背景」をしっかりと伝え、相談しながら加入する方法があります。この方法の場合はネットで比較してはいるよりもプロに疑問点に答えてもらえたり、新たな発見をしたりすることができます。
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いかがでしたか?適切な保険に入って、保険を正しく利用しましょう!
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