「インカ帝国」や「ムー大陸」など古代史に興味があるあなたなら、「古代バビロニア」という言葉を聴いてビクッとくるでしょう。
古代バビロニアには戦乱の歴史や神話など様々なストーリーがありますが、この記事では首都バビロンに実在した大富豪によるお金を増やす方法をご紹介します。
その「バビロンの大富豪によるお金の教え」は、1920年代に、発掘された紀元前の石版を元に「バビロンの大富豪」という本になって大ヒットし、「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏が感銘を受けるなど数多くの人に影響を与えました。
そして、現代に生きる我々にも大いに参考になる本です。 なぜなら、この「バビロンの大富豪」で書かれている内容は原則だからです。
原則とは普遍性があるものなので、紀元前でも現代でも未来でも人間社会に通用するのです。
テクニックに関するお金を増やす方法を語る本は数多くありますが、真剣にお金を増やすなら、テクニックだけでなく原則をまず学ぶ必要があります。100年近く前に発刊された「バビロンの大富豪」が今なお売れ続けているのがその何よりの証拠です。
それでは、お金を増やす方法を7つのパートに分けてご紹介していきます。
目次
お金を増やす方法その1.収入の10分の1を貯金すべし
まずは支出を収入以下にする
お金を増やすなら、まずは支出を減らす必要があります。
当たり前すぎることですが、これが意外と守られていないものです。特に、クレジットカードでいくらでもお金を使うことができてしまう現代においては、この原則は絶対に守るべきでしょう。
特にあなたがお金を増やすなら、収入よりもまず支出を抑えることから始めないといけません。
収入の10分の1を貯金
必要な蓄えが大事
「財布に十枚のコインを入れたなら、使うのは九枚まででやめておきなさい。」 と、バビロンの大富豪は教えます。
「今のままでも生活がぎりぎりなのに・・・」と思っているあなた、実は意外となんとかなるものなのです。バビロンの大富豪の教えに従って収入の10分の1を貯金したあるバビロン人は、 「稼いだ金の十分の九以上は使うのをやめてからも、それまでと同じように生活してゆくことができたのです。以前に比べて何かが足りないということはありませんでした。それ以上に、間もなく、以前よりも金が簡単に手に入るようになったのです。」と述べています。
実際にあなたが試してみるのが一番でしょう。
あなたがもし収入の10分の1を貯金していたら?
仮にあなたが20歳から60歳の定年まで働くとしましょう。そして、平均年収が500万円だとすると、あなたがもし収入の10分の1を貯金していたらいくら貯まるか計算してみましょう。
500万円×40年×10%=2000万円!
なんと2000万円貯まるのです。
これは、インフレや為替の影響、預金金利など含んでいませんので、さらに増える可能性もあります。今すぐ収入の10%貯金したくなったのではないでしょうか?
他の偉人もお金を増やすなら必要!と語る
歴史上の優れた人も、お金を増やすなら支出を抑えたり、収入の一部を貯金すべきと語っています。また、寄付でも良いと言う人もいます。 それは、収入の10%を寄付することで「いつでもこのぐらいは稼げる」という確信になるからだというのです。
また、「将来社会貢献するつもりなら、その練習になる」と言う人もいます。なぜならお金持ちであり続ける人は、なる前となった後でやることは一緒です。 イチローなど一流のスポーツ選手は金持ちになってもスポーツに関わり続けますし、ウォーレン・バフェット氏は金持ちになっても投資を続けます。孫正義氏やダン・ケネディ氏などは一生遊んで暮らせるお金を持ってもまだビジネスに情熱を燃やし続けます。
お金を増やすなら収入の10%を貯金するべきであるということを分かりやすく書かれたジョン・ディマティーニ氏の本を紹介しますので興味がありましたらお読み下さい。
借金の賢い返し方
補足ですが、「借金をしている人は、10分の7で生活し、10分の2は返済にまわし、残りの10分の1は、自分のためにとっておきなさい」とバビロンの大富豪は教えています。借金があってもあくまで10%はとっておくべきと言う教えですね。
お金を増やす方法その2.欲望をコントロールせよ
生活態度はいつからでも改められる
欲望をコントロール
お金を増やすなら支出を抑えるべきと述べましたが、そのためには欲望をコントロールする必要があります。
貯金しようと思ってもついついほしい家電製品や衣服を買ったり、
カロリーオーバーにも関わらず無駄な外食をしたり、
お金を増やす方法を勉強しようと計画したのに、ついついテレビをぼんやり眺めていたり、
そんなことはないでしょうか?
欲望自体は悪いことではない
欲望自体は悪いことではありません。欲望をなくすならそもそも悟りを得ないといけませんが、釈迦が悟りを得た後に「欲望自体は悪いことではありません」と述べています。あくまで欲望をコントロールできないことが悪いのです。
できることから実践
ですので、いきなり欲望をおさえこもうとすると、かえってマイナスです。ストレスがたまりますし、ダイエットのリバウンドのように逆に悪い状態になってしまいかねません。10%でも1%でも、少しずつでも改善していきましょう。
消費と投資と浪費の基準を明確に
「必要な経費と自分自身の欲求とを混同してはいけない」とバビロンの大富豪は述べています。
お金の使い方は「消費」「投資」「浪費」の3つがあり、お金を増やすならこの区別は大事です。「投資」については後に述べます。「消費」は生活や自己成長に必要なこと、「浪費」は生活や自己成長に必要ないことぐらいに覚えておきましょう。
ただ、「浪費」であっても、いきなり0にするのでなく、徐々に減らす方が良いでしょう。
一つの目安として下記の割合が良いと言われています。
消費 | 70% |
浪費 | 5% |
投資 | 25% |
お金を増やす方法その3.貯めた資金は寝かさずに賢く投資すること
まずは投資の勉強をしよう
なぜ投資が大事?
「貯めた金は最後の一銭にいたるまで働かせなさい」とバビロンの大富豪は述べています。
投資というと危険というイメージを持つ人もいますが、今のように金利が低く(マイナス金利にさえなり)、インフレが予想される現代では投資しない方がリスクがあるとも言えます。ですので、お金を増やすなら投資について知っておくべきなのです。
投資に対する正しいイメージ
日本人の多くが投資に対してあまり良いイメージを持っていません。それでいて「一生懸命働いているのに一向に豊かにならない」と嘆いているのです。
投資とは、簡単に言うとお金に働いてもらうことです。お金がお金を増やすのです。
「バビロンの大富豪」の冒頭でも、ある戦車職人が働いても楽にならない現状を話していると、バビロンで最も裕福なアルカドという大富豪を紹介され、その話を聴きに行くという話が語られています。あなたも稼いだお金を投資する知恵を得ることでお金を稼ぐことができるようになるでしょう。
「慎重さ」と「スピード」のバランスが投資には大事
慎重に資金運用すべし
「より慎重な選択こそが、大きな後悔から身を救う」とバビロンの大富豪は述べています。うまい話には裏がある、そう考えた方が良いです。
リスクのないと甘い声で誘う投資話は世の中にいくらでもあります。しかし、少なくともリスクを一切語らない投資話は詐欺の可能性が高いと考えた方が良いです。
優柔不断はお金や幸福が逃げていく
上記の“慎重に”という言葉と矛盾するようにも思えますが、一旦投資すると決断したら素早く行動することも大事です。
「決意あるところ、道は開ける。」とバビロンの大富豪も述べている通り、決断のスピードは常に早めねばなりません。
そのためには普段から情報収集し、勉強し、信頼できる人の話を聴く必要があるのです。
営業のチャンスなのに、迷っている間にチャンスを失ったり、
プロジェクトの決断を引き延ばしにして、ライバルに先を越されたり、
そんな経験がある人は納得いくのではないでしょうか?
お金を増やす方法その4.備えあれば憂いなし、あなたの貴重な財産を死守すべし
損失という災難からお金を守ること!
バビロンの堅固な城塞
バビロンにアッシリア人の圧倒的な軍勢が急襲してきた!という話は歴史マニアにはたまらない展開でしょう。でも、バビロンの強固な城塞を守る老戦士バンザルは余裕一杯です。少々の敵からの攻撃ぐらいでは揺らがないのです。
「安心なくしては我々は生きられない」とバビロンの大富豪が言うとおり、何があっても大丈夫な備えは必要です。例えば収入の10%の貯金もその備えの一つです。
火災保険の話
現代の話ですが、ある男が火災保険に入ろうとしましたが、仕事が忙しくて「明日にしよう」と一日延ばしにしました。その夜、隣の家から出火し、その男の家は火事になってしまいました。幸いに家族は無事だったのですが、財産は・・・?
火災保険会社に「明日加入する予定だったんです」と言っても、一切通用しません。他の全ての保険や金融商品でも同じです。
自分の住まいを持つことは有益な投資
バビロンの大富豪は自分の住まいという貴重な財産を、守りの基盤として持つべきであると述べています。
現代にも当てはまるか?
ただし、現在においては自分の住まいを持つことは投資でなく負債になるかもしれません。
これは上でご紹介した「金持ち父さん貧乏父さん」に書かれていることですが、古代バビロニアの時代と違って今は固定資産税や相続税などの税金がかかったり、維持費もかかるので、単純には比較できないかもしれませんね。
お金を増やす方法その5.一攫千金を追ってはならない
不確かな投資は危険
「自分のよく知らない商売や目的、あるいは黄金を守ることに長けた人々が認めないような商売や目的に使われる黄金は、その人間から逃げてゆくことだろう」とバビロンの大富豪は述べています。
現代でもそうですが、うまい投資話をもちかける人は古代バビロニアの時代にもあったのでしょうね。
歴史マニアの方なら、歴史の中で詐欺まがいの投機話で身を持ち崩した人の話はたくさんご存じかもしれません。 裏を返せば、投資は、適切な人をきちんと選んでその人の助言を基に行うと成功するということです。
投資でお金を増やすなら、そんな人の特徴を知るのが一番近道です。
投資を学ぶべき人、3つの特徴
経験がある
投資をした経験・実績がある人の意見は貴重です。特に、いろいろなジャンルの投資を経験した人であるほど良いでしょう。人によってどのような投資がお金を増やすために適しているか異なるからです。
リスクについて正確に話してくれる
投資で失敗をしたことがない人はまず存在しませんので、リスクを適切に教えてくれることが大事です。歴史マニアのみなさんであれば、歴史上の偉人が多くのリスクを乗り越え成功した話をよく学ばれているので大丈夫でしょうね。
「投資は自己責任」だと教えてくれる
投資にはリスクがありますので、最終的に決断したことは自己責任です。このことを正確に伝えてくれる人は、実は少ないのです。もちろんバビロンの大富豪ははっきりと投資は自己責任であることを伝えてくれています。
お金を増やす方法その6.将来の保障を確実にするため資金準備すべし
今からできる資金準備
収入の10分の1を貯金
これは、すでに述べたことですが、年老いてから必要なお金や、家族を守るために必要な蓄えをあらかじめ用意しておくべきなのは現代でも一緒です。
通帳を項目ごとに分ける
これはテクニック論になりますが、収入の通帳と支出の通帳をわけ、さらに収入も労働収入と投資収入を分け、支出は経費と消費をわけておくと、お金の流れが一目瞭然です。
借金がある場合
これもすでに述べたことですが、収入の10の7は生活、10の2は借金返済、10の1は自分のものにすることが大事です。もちろん、借金の金額にもよるので一概には言えませんが、あなたの生活状況、収入額、借金の金利などを考慮して数値を調整して下さいね。
お金を増やす方法その7.自由人の魂をもつべし
心が奴隷になっていませんか?
後半の方に、借金でバビロンを追い出され、奴隷になった後にラクダ商人として成功した男の話があります。 詳しい顛末は「バビロンの大富豪」を読んでいただきたいのですが、彼があるときこう自分に問いかけます。
「自分の魂は奴隷のものか、それとも自由人のものか?」
そして、彼は奴隷という絶望的な状況からぬけだし、自分で主体性をもって問題を解決する方法を学びました。
この「自由人の魂」というべきものは、最後のまとめで述べる「豊かさマインド」につながるので、そこで詳しく述べましょう。
言い訳ばかりしていませんか?
ありがちな言い訳
「自由人の魂」と対極なのが言い訳ばかりする「奴隷の魂」です。
・政治が良くないから
・相手が言うことをきいてくれないから
・生まれつきだからしかたがない
などなど、お金を増やすなら様々な言い訳を排除しましょうね。全て自己責任なのですよ。
そのことを良く言い表した動画「雪が降っても自分の責任」を掲載します。
雪が降っても自分の責任(YouTube動画)
「評論家」は豊かになれない
評論家、批評家はテレビのコメンテーターに任せておきましょう。あなたはそのような存在になってはいけません。なぜなら、そのように評論、批評は決断のスピードを鈍らせるからです。
その前に行動した方が良いです。
懸命に働く喜びを感じるべき
ここまで読まれると、なにもせずに不労所得でアーリーリタイアすることが良いと思われるかもしれませんが、少し違います。
バビロンの大富豪は以下のように述べています。
「働くことの代わりになるものなど何もない。懸命に働くことで、友人・財産・栄誉・成功を手に入れられる。」
実在するある大富豪は、一生遊んで暮らせる資産を得た後、半年かけて世界3周の旅行に出られたそうです。そしてその時期を「全くの無駄」だとおっしゃいました。現在は投資やビジネスを再開されていますが、勘を取り戻すまで数年を要したそうです。
豊かさマインドが大事
以上、7つのお金に関する原則を述べてきました。
お金を稼ぐならこの7つの原則を元に行動すれば良いと思いますが、その時に欠かしてはならない心構えがあります。それは「豊かさマインド」と呼ばれるものです。
これは、バビロンの大富豪が教える「自由人の魂」とほぼ同義です。
簡単に言うと、「お金と幸福を両立させること」です。
お金を稼ぐだけでも意味はないですし、お金を稼いだ後のお金を増やす方法、お金の守り方、さらには他人に貢献し奉仕する方法まで含めることで幸福感が得られるのです。
歴史マニアの方々であれば、多くの偉人が他人に貢献しながら成功していったことを思い起こされると良いでしょう。