毎月のお金のやりくりに頭を悩ませ、将来の出費を考えて胃が痛くなる…。そのような「お金に振り回される生活」とは、なるべく無縁でいたいものですね。
今回は、お金に困らない人の行動パターンから分かる、生活が楽になる裏ワザについてご紹介します!
目次
【裏ワザその1】節約の仕方を変える
無駄遣いを「もったいない」と感じ、節約を意識するのは大切なことです。しかし、節約の仕方を間違えると、苦労の割には意味のない節約をすることになってしまいます。
節約は「固定費」から!
お金に困らないように日頃から節約しよう…と考えた時、まず何を切り詰めますか?
食費?服飾費?それとも化粧品代でしょうか?…それらは全て、貧乏思考のもとです!
食費や服飾費は、その都度支出額が変わる「変動費」です。変動費は、目先の効果を実感できて節約気分を味わえますが、実のところ生活への影響は大きくありません。削減するべきは「固定費」からです。
固定費とは、家賃や通信費、電気の基本料金などの「定期的に定額で出費が決まっている費用」のことを言います。
○家賃
分かりやすい例で言えば、手取り月収20万円の人が、家賃12万円のマンションに住んでいるのは「身の丈にあっている」とは言えません。家賃が手取り月収の3分の1を超えると、生活が非常に苦しくなると言われています。できれば4分の1以下に抑えましょう。駅から遠くても、築年数の古いアパートでも、それが今のあなたにとって「身の丈にあった生活」です。
○通信費
スマホやインターネットの代金は、毎月どの程度でしょうか?また、最新の高級スマホを毎年機種変更で入手していませんか?
機種変更代金も含めて、2年間の通信費を見てみてください。毎月の通信費が1万円を超えている人や、2年間の通信費が20万円を超えている人は、すぐに内容を見直しましょう。
おすすめは格安SIMへの変更です。格安SIMを販売するMVNOは、Docomoやau、SoftBankなどの大手通信会社の回線を安くレンタルして通信する会社です。安ければ千円程度、高くても5千円未満で、今までと変わらない通信環境が得られます。
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○マイカー
車がないと毎日の生活ができない地方の場合はやむを得ませんが、公共の交通機関が発達した都市部でのマイカー維持は、とても大変です。
各種税金や保険代、ガソリン代、駐車場代、車検代は、2年間でどの程度になっているでしょうか?国産の普通車であれば、安くて100万円、高ければ300万円程度ではないかと思われます。
そして、週末や祝日・祭日しか車に乗らない「サンデードライバー」の生活をしているのであれば、2年間で車に乗る機会はおよそ「200日間」です。休日に毎日車に乗ったとして、1回あたりの費用は5千円から1万5千円です。更に、車の買い替えや部品交換、事故対応などのイレギュラーな出費が必要になる場合もあるでしょう。
そうまでして維持を続けるほど、マイカーは必要でしょうか?毎回レンタカーやタクシーを利用したり、毎月千円程度で利用できるカーシェアリングサービスを利用したりするほうが、結局安く済む可能性があるでしょう。
○医療保険・生命保険
現在、何か医療保険や生命保険に入っていますか?入っている人は、保証内容をよく確認してみましょう。
保険の契約書類をよく読むと、「数年後の更新で保険料が跳ね上がる」ものや、「60歳を過ぎると保証内容がとても手薄になる」ものがあります。成人した時や社会人になった時、誰かに勧められるがまま加入した保険がある場合は、特に注意が必要です。
人生の中で大きな買い物は「住宅」「車」「生命保険」と言われています。ネット保険や総合代理店が紹介する見直しプランによっては、全く同じ保証内容で掛け金が半額以下になる場合もあります。
【裏ワザその2】「大きなお金」を意識する!
お金に困らない人は、常に大きなお金の流れを意識しています。主に、「大きな支出」と「大きな収入」について、おおまかな予想をたて、明確な目標を持つことが大切です。
○大きな支出
前述の「マイカーの維持」「通信費」「保険料」などはその代表的なものです。1年単位、2年単位…あるいは10年単位での出費を考え、それが「今この瞬間の便利さ」に見合っているかを冷静に分析してみましょう。
ただし、お金に困らない人は使い方も上手です。「最新のスマホを誰よりも早く手に入れるための20万円」が重要だと考えるのであれば、それは必要な出費として気持ちよく支出し、それ以外の部分でお金を補いましょう。
○大きな収入
また、お金に困らない人は、収入の管理にも敏感です。10年後、20年後の資産・年収のために今やるべきことをしっかりと見据えています。
数年単位で転職を繰り返す人や、起業を目標に人脈を作っている人もいるでしょう。そのような、「先の収入目標をしっかりと決めている人」は、支出の仕方も合理的で、投資的なものになります。一時的には貧乏に見えるかもしれませんが、将来の収入のための貧乏であることから、それほど悲壮感を伴いません。
【裏ワザその3】小さな節約をしない!
小さな節約を意識しているうちは、浪費生活から抜けることは難しいでしょう。確かに「チリも積もれば山となる」は事実ですが、チリばかり見ていては山を見逃すことになりかねません。
○少しでも安い食材を買う
「80円のパンと100円のおにぎり」で迷っていませんか?「量が増えても値段がほとんど変わらない」と思って、使い切れないほど大容量の調味料を買っていませんか?
それらは「節約した気分」にはなれますが、実際のところ1食あたり数円から数十円程度の違いしか生みません。多くても1ヶ月あたり2千円程度です。気の進まないランチの付き合いを1回断ったり、携帯電話や保険のプランを見直したりすれば、何もしなくても浮く金額かもしれません。
○割引セールに合わせて買い物に行く
「少しでも安く買いたい」と思う気持ちは、誰もが持っているでしょう。惣菜の割引シールやアパレルショップのセールPOPは人を惹きつける力を持っています。
しかし、「安くなっているから…」とつい余分に買ってしまったり、混雑している店内で商品選びや会計に行列をつくったりして、お金や時間を浪費していないでしょうか。セールの興奮状態で無駄遣いをしてしまう自覚のある人は、冷静になれるセール外のタイミングで買い物をしたほうが、結局のところ節約になっているかもしれません。
○タクシー代がもったいないのでバスを待つ・20分歩く
現在、東京都のタクシー初乗り料金は約730円です。バスが210円なので、一人で移動する時は迷うかもしれません。
2人でバスに乗れば410円、3人の場合は630円です。しかし、2人以上で移動するときは、タクシーを使ったほうが効率的かもしれません。
例えば、友人や家族と一緒にいるときに「タクシーは贅沢だ、勿体無い」と感じていませんか?それは気持ちの問題でしかありません。冷静に考えれば、自販機でペットボトル飲料を2本買えば、足が出てしまう程度の違いでしかないのです。
○こまめに電気を消す
もちろん、全ての電気をつけっぱなしにするのは無駄ですが、全てにおいて「こまめに電気を消す」ことが直接節約に結びついているかと言うと、そうでもありません。代表的なところでは、エアコンの冷房は「こまめに消す」よりも「つけっぱなし」のほうが省エネで、節電・節約になることが知られています。
エアコンだけではありません。最近の省エネ家電には、あまり頻繁にスイッチのオンオフを繰り返すと部品の寿命を縮め、かえって故障を早めてしまうものがあります。また、一時期話題になった「待機電力」も、現在ではほとんど気にする必要はありません。
節電は常識の範囲内で行い、あまり一生懸命にならなくても良いでしょう。もし電気代が高いと感じるのであれば、目先の節電よりも契約アンペアを落とすことによる基本料金の引き下げを検討しましょう。
一人暮らしの部屋は、多くが「30A契約」になっていますが、20A契約にしても問題ない人は意外に多いようです。プランの変更には手数料もかからず、戻すことも簡単です。一度試してみても良いでしょう。
○絶対に借金をしない
「借金」を嫌な言葉と感じるのは損です。
奨学金やローンは「今、手元にお金が必要な人」のための融資制度です。将来の金利よりも、「今お金があること」で得られるメリットのほうが大きいのであれば、利用するべきでしょう。
ショッピングローンやカードローンも、タイミングによっては「超低金利・金利ゼロ」などのキャンペーンを行っています。上手に利用しましょう。
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【裏ワザその4】お金が勝手に貯まる仕組みをつくる!
お金に困らない人は、支出も収入も「固定費」を意識しています。つまり、貯金するお金を固定化し、「収入-貯金するお金=使っても問題ない金額」と考えます。
○定期積立預金
毎月、決まった金額を給与口座から引き落とし、銀行の口座に積み立てる預金があります。
金利が非常に低く、貯める方法としては効率があまり良くない可能性もありますが、給与支給日を引き落としにすることで「最初からこの金額しかない」と考えることができるのは大きなメリットです。
最初から天引きされた状態で給与を手に入れ、その中で生活をするようになるため、前述の「身の丈にあった生活」をしているうちに勝手にお金が貯まっていきます。
○社内預金・財形貯蓄
勤め先が福利厚生として財形貯蓄や社内預金をしている場合は、ぜひ利用しましょう。
社内預金は、給与から一定額を会社に積み立てる貯蓄です。銀行の定期預金よりも金利が高いのが特徴です。
財形貯蓄は企業が給与から一定額を天引きして金融機関に預けます。金利はそれほど高くありませんが、受け取りの際に非課税枠があるため、普通の預金よりも有利に貯蓄ができます。
○個人年金保険
個人で年金を積み立てる保険もあります。国民年金や厚生年金の支給開始時期がどんどん高年齢化していくなか、定年退職してから年金を受給するまでの「収入の空白期間」に備える手段として人気です。
個人年金保険は、毎月1万円程度から積み立てができます。60歳頃から受け取りが可能で、受け取りを遅くするほど金利が上がります。
個人年金保険単体で考えると金利はそれほど高くありませんが、積み立てた金額の一部が年末調整で控除され、支払った税金が還付されます。控除の金額まで計算に含めると、タンス貯金や定期預金よりもずっと良い貯蓄方法であると言えるでしょう。
【裏ワザその5】お金が勝手に増える仕組みを持つ!
お金は「稼ぐ・貯める」以外に「増やす」方法があります。お金に困っていない人は、特にこの「勝手に増える仕組み」を大切にしています。
○株式投資
株を「原本割れの可能性がある、リスクを持つギャンブル」と感じている人は損しています。
ニュースで脚光を浴びる投資家は、数日・数時間単位の売買で利益を上げる「デイトレーダー」です。デイトレーディングは確かにギャンブル的な要素があります。
しかし、本来株式投資とは、「これから伸びる企業にお金を預けて長期間保有する」ものです。出資することで企業の成長に貢献し、成長の成果を配当金や株主優待として受け取りながら、企業の資産価値と共に自分の資産額を上げていく「昔ながらの投資」こそが、世界中の富裕層が行っている堅実な資産形成です。
○投資信託
株式投資には、企業価値やチャートの分析など、プロの領域があります。素人にはとっつきにくく、経験が浅いうちは何を信じれば良いか分からなくなってしまうでしょう。
資金が少ない・忙しい・苦手意識が強い…など、自分で株式投資を行うのは難しいと感じている場合は、銀行や証券会社にお金を預けてみてはいかがでしょうか。投資信託は、資金の運用をプロに任せる仕組みです。国内外の株式や債券、不動産やコモディティ商品などに分散投資をしてもらいます。
投資信託は1万円程度から始められます。最初の投資先として始めやすいでしょう。
○不動産投資
不動産物件を「夢のマイホーム」ではなく「資産形成手段のひとつ」と考えると、ローン金利の低さや住宅ローン控除の制度は非常に魅力的です。就職、結婚、出産など機会はさまざまですが、その場所に長く住むことが決まった場合には、住宅の購入を検討してみましょう。
また、多くの不動産関係者が個人的に「良い立地にある中古の1LDKマンション」を購入し、オーナーとして貸し出して家賃収入を得ているのは有名な話です。中古マンションのローン支払い額よりも家賃収入のほうが大きければ、利益を得ながら「不動産物件」という資産を手に入れることができます。
まとめ
お金に困らない人は、元から「お金がそんなに必要ではない生活」をしています。自分の収入に応じて「身の丈にあった」生活をしているため、そもそもお金に困ることが無いのです。更に、お金が自然に貯まり、貯まったお金が自然に増えるような仕組みを日常生活に組み込んでいます。
目先の金額に左右されず、お金の流れを意識して、10年単位で資産形成を考えていくと、30代、40代程度の壮年期に入った頃、「いつの間にか大きな差がついていた」ということになるでしょう。
主体的にお金を管理し、生活をラクにしていきましょう。