今回は3/14に放送した「池上彰の経済教室 成功企業の戦略を考えるその3」の要約をしていきます。
エッセンスのみを抜粋しているので生徒の話などはカットしています。
この記事はNo.2です。No.1 No.3以降は下記を参照してください。
1:池上彰の経済教室 スターバックス 成功企業の戦略を考える
3:池上彰の経済教室 アップル 成功企業の戦略を考える3
4:池上彰の経済教室 アマゾン 成功企業の戦略を考える4
とてもおもしろい番組ですので番組を見たい方はテレビ東京のオンデマンド契約をしてみるといいかと思います。月々500円で初月無料です。
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マイクロソフトのビル・ゲイツはコンピューターの天才だから成功したわけではない
ビルゲイツはコンピューターの天才だから大成功したわけではないんです。
ビル・ゲイツはビジネスの感覚があったということです。
たしかにビル・ゲイツはコンピューターのソフトを自分で書くことが得意でした。しかしそれだけでマイクロソフトを巨大企業にしたわけではないんです。
そもそもコンピューターの仕組みを少し話しましょう。
「コンピューター ソフトなければ ただの箱」 という川柳があります。
下のハードだけでは動かず、コンピューター用語を打ち込まないと昔はなにも動かなかったんです。
今はOSというソフトがあってその上のソフトが動くようになってます。
昔はすべてコンピューター言語をマスターして動かす必要がありました。
そこでだれでも動かせるベーシックというプログラミング言語を作り出し、MS-DOSというOSを作り出して誰もがコンピューターが使えるようになったわけです。
OSはコンピューターを動かすための基本ソフトです。
今は自動的にOSが動くようになっていますね。
そして、ワードやエクセルなどのソフトはOSがあって初めて動くわけです。
マイクロソフトは二段目のだれでも使えるOSというものを開発したんですね。
IBMという巨大なコンピューター会社があります。コンピューターといえばIBM、IBMが個人が使うコンピューターの分野に進出しようとします。
でも当時は個人がコンピューターを扱うなんてとんでもないという時代でした。
IBMはハードに当たるパソコンを作ることができたが、OSを開発することはできなかったんですね。
そこでマイクロソフトが開発していたMS-DOSを取り入れることになりました。
MS-DOSはWINDOWSの前のものだと考えてください。
ちなみにMS-DOSも実はマイクロソフトが開発したのではなく、他の会社が開発したものをマイクロソフトが買ったんですね。
どれだけのものなのか開発した会社もわかっていなかったのです。
マイクロソフトはMS-DOSのシステムをIBMを売るというやり方をしたんです。
そしてここからがビル・ゲイツのすごいところです。
ビル・ゲイツはOSを使用料という形で売った
ビル・ゲイツはMS-DOSをすべて売るのではなく、IBMが作るコンピューター一台一台につき、MS-DOSの使用料を払ってくださいというやり方をしたんです。
MS-DOSをすべて買うには莫大なお金が必要でしたから、一台の使用料なら非常に安くすむ。当時IBMとしても願ったりかなったりだと思っていたんですね。
更にマイクロソフトはMS-DOSのシステムをIBM以外にも売ることを認めさせたことが大きかった。
個人用のコンピューターなどそこまで普及するとは思っていなかったわけですから使用料を払うくらい構わないと思ったんですね。
しかし個人用のコンピューターがこれだけ広がっていったのでマイクロソフトに莫大な使用料がはいってくることになったんです。これによってマイクロソフトが伸びていったんです。
つまりマイクロソフトはMS-DOSがOSとして大きな力を発揮するということにいち早く気づき、一台につき使用料をとるという形でやるというビジネスチャンスを見つけたんですね。
あなたがPCを立ち上げるたびWindowsのマークが出てきますが、そのPCが売れるたびにマイクロソフトに使用料が入っているんですね。
マイクロソフトが行った抱き合わせ販売
そしてインターネットが普及するようになる。
当時、インターネットを検索するときに使っていたのがNetscape(ネットスケープ)でした。
このNetscapeですが、OSの上のソフトの部分にあたるわけです。
このNetscapeにマイクロソフトが打ち勝とうと思ったんですがどうしたと思いますか?
OS(Windows)と一緒にインターネットをエクスプローラーという検索ソフトを販売するという方法をとったのです。
WindowsについてきていたらわざわざNetscapeを買う人はいなくなりますよね?
そして非常に優れていたNetscapeはこのWindowsの戦略により廃れていくわけです。
こういうことはそれだけではありませんでした。
マイクロソフトはワードとエクセルもWindowsと一緒に販売するという方法をとりました。
実は日本には独自のこれにあたるものがありました。ジャストシステムが開発していた一太郎と花子というワープロソフトと表計算ソフトです。
日本語に特化していたので縦書がとてもやりやすかったんです。
ちなみにワードはアメリカで開発されたものなので縦書は使い勝手が悪かったんです。
学校などでは最初、先生が一太郎と花子を買って使っていましたが、そのうちWindowsに最初からついているワードとエクセルを使うようになりました。
そこで一太郎と花子を開発していたジャストシステムはビジネスが苦しくなり、通信教育に力をいれるようになって名簿業者から名簿を買ったところ、ベネッセから流出しているものと判明し、個人情報保護の件で問題を起こしてしまったんです。
言ってみればマイクロソフトのやり方はえげつないですよね。抱き合わせ販売という形で競合を排除していったんです。
マイクロソフトのこれからの課題
ただしこのインターネットの世界は競争が激しいですからね。
Windowsのインターネットエクスプローラーだけではなく、最近はGoogle Chromeというインターネット観覧ソフトにシェアを奪われ続けています。
マイクロソフトはハードよりソフトをつくろうとしてきたわけです。ハードはIBMや富士通、パナソニックにまかせていたんです。これでうまくいってきたんですね。
ところがインターネットの発展にマイクロソフトは少し立ち遅れたのです。
最近はクラウド時代になってきました。
インターネットではなくクラウドにデータを保存して、引っ張ってくる時代になりました。
クラウドとは雲という意味で、USBやPCと違って自分でデータを持ち歩く必要がなくなるわけです。
USBを落とす可能性もなくなりますし、PCが壊れても大丈夫なわけです。クラウドはインターネットに繋がっていればどこでもデータを見ることができるからです。
パソコンはネットに繋がれば他の機能はいらないという時代になりつつあるのです。
そこでマイクロソフトは苦戦を強いられているのです。
またマイクロソフトはNOKIAを買収して携帯電話事業にも乗り出していますが、AppleやGoogleには敵わない、マイクロソフトは携帯電話の事業で大苦戦しており、人員削減を発表するまでになったんですね。
2015年の6月までに全社員の14%、1.8万人をリストラすると発表したんですね。マイクロソフトですら競争に負けるとリストラせざるをえないんですね。
急激に伸びたことでピンチを迎えたスターバックス、マイクロソフトも同じようなピンチを迎えています。これからどのようにマイクロソフトが立ち振る舞うのか気になりますね。
ちなみにこれをしてきたビル・ゲイツ、とてつもない大金持ちになったわけですが、妻のメリンダと一緒にビル・メリンダゲイツ財団を作りましたがこの財団の資金が600億ドル(7.2兆円)で様々なところに慈善事業や寄付をしています。
アメリカでは成功すると寄付するという習慣があるんですね。
ビル・ゲイツも一代で稼いだお金を様々なところに使っているんです。
ここまでです。次はAppleについてです。
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