株式投資で理解すべきチャート分析の基本「トレンドライン」

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ネット証券会社が提供する銘柄についての情報や板・チャートの見方や使い方が分かれば、次は自分なりの投資スタイルに合わせて、株を買ったり売ったりして株式投資をスタートすることになります。

株式投資の基本は株価が安い時に買って高い時に売ることです。でも、株価が安い時と高い時のタイミングってどう判断したらいいのでしょうか?これから株式投資を始めようとしている人や、株式投資の初心者にとってはなかなか分からないと思います。

そこで今回は『株式投資で理解すべきチャート分析の基本「トレンドライン」』と題して、株式投資の手法チャート分析の基本である「トレンドライン」について解説します。

株式投資の知識や経験があまり無い方の理解を助けるために、画像や図を使うとともに専門用語は注釈を加えてわかりやすく解説しています。

今回の記事をよく読みチャート分析の基本「トレンドライン」について理解して頂ければ、多くの投資家が信じる株を買ったり売ったりするタイミングの“公式”を知ることができます。株式投資はリスクがありますが、こうした株式投資の“公式”を知ることで株価の推移を予測しタイミング良く投資を行うことができるようになります。

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①まずはここから理解しよう!株式の投資手法の種類

株式投資の手法を大きく2つに分けると、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析に分類できます。

分析手法 内容 種類 特徴
ファンダメンタルズ分析 景気や企業業績や財務などの情報から分析する手法 経済動向・金利・為替・企業価値評価など 長期的な株式投資や銘柄選定に向いている
テクニカル分析 株価の将来の値動きを過去の値動きから予測する分析手法 ローソク足・トレンドライン・株価移動平均法など 短期的な株式投資や売買タイミング選定に向いている

株式は会社の価値をいくつかに分割したものですから、株価(正確には株価×株式数)=企業価値となります。企業価値はその時の企業の業績によって変化し、長期的に考えれば株価と業績は一致するはずです。しかし、実際の株価は短期的には業績と連動しないことがあります。それは、多数の投資家が様々な憶測が働いて売買を行い株価に影響を与えるためです。

そのため、株式投資の基本は、企業業績などをもとにファンダメンタルズ分析を行い長期的に投資する銘柄を決定し、その銘柄の株式を売買するタイミングをテクニカル分析で考えていくということになります。

チャート分析(テクニカル分析)の種類

チャート分析(テクニカル分析)の方法はひとつでなく、いくつかの手法があります。代表的なものの種類と内容をまとめておきます。

チャート分析の種類 内容
トレンドライン チャートの山谷の動きの方向性から将来の株価の動きを予測する手法
移動平均線 一定期間の終値の平均値をグラフにし将来の株価の動きを予測する手法
グランビルの法則 移動平均線と株価の乖離の仕方や方向性により将来の株価の動きを予測する方法
MACD(マックディー) 2本の株価の移動平均線を用いて将来の株価の動きを予測する方法
ボリンジャーバンド 株価の移動平均線とその上下に値動きの幅を示す線を用いて将来の株価の動きを予測する方法

今回は、チャート分析の基本であるトレンドラインについて解説していきます。

②チャート分析の基本!トレンドラインを理解しよう

チャートを見る時にまず考えるべきことは、株価の変動の傾向を見極めることです。すなわち、株価が傾向として上昇基調にあるのか、それとも下降基調にあるのか、はたまた横ばいなのかを知るということです。

トレンドとは

株価は基本的には上がったり下がったりと不規則な動きをします。チャートで連続して株価の動きを見てみると、株価は上がったり下がったりジグザグに連続する山と谷をつくっていき波のように動いていきます。この不規則な山と谷に見られる方向性のことを「トレンド」と言います。

このトレンドは、山と谷の連続が高くなっていく「上昇トレンド」・山と谷の連続が低くなっていく「下降トレンド」・山と谷の連続が横ばいの「横ばいトレンド」の3種類があります。

トレンド図

トレンドを使った株式投資の基本的は、上昇トレンドの時に株を買い下降トレンドの時に株を売るという、トレンドの流れに沿って投資していきます。なぜなら、トレンドは市場の勢いを表しているので、それに逆らって株式の売買を行って利益をあげるのは非常に難しく、株式投資で利益を上げるためにはトレンドに沿った売買をした方が良いからです。

トレンドラインとは

チャート上で株価の推移を見たときに、この山と山(高値と高値)と谷と谷(安値と安値)を結んだ直線を「トレンドライン」といいます。トレンドラインは、その銘柄の株を買うタイミングや売るタイミングを見極めることに使われます。

トレンドラインを使うためには実際のチャート上に線を引いていきます。トレンドラインの引き方は、相場が上昇トレンドにあるか下降トレンドにあるかで変わってきます。

上昇トレンド:下値支持線(サポートライン)

上昇トレンドの場合は、チャートの株価の谷と谷(安値と安値)をつないだ線を引きます。このように、株価の下にあるトレンドラインを「下値支持線(したねしじせん)」と言います。下値支持線は「サポートライン」とも呼ばれます。

下値支持線

この下値支持線は「株式相場を下支えする」という意味から名前がつけられています。株価の値動きが下値支持線を下抜いた場合(これをブレイクといいます)、上昇トレンドが終わったと考えられます。

下降トレンド:上値抵抗線(レジスタンスライン)

下降トレンドの場合は、チャートの株価の山と山(高値と高値)をつないだ線を引きます。このように、株価の上にあるトレンドラインを「上値抵抗線(うわねていこうせん)」と言います。上値抵抗線は「レジスタンスライン」とも呼ばれます。

上値抵抗線

この上値抵抗線は「株価がこのラインより上がるのに抵抗がある」という意味から名前がつけられています。上値抵抗線は心理的に「株価がこのラインより上がらない」と多くの投資家に意識されます。そのため、下降トレンドで上値抵抗線を上抜けするにはそうした意識を上回るかなりの株価上昇の勢いが必要と考えられます。
※“心理的”という表現が出てきましたが、チャートと投資家心理の関係については後述します。

実際にトレンドラインを引いてみる

上昇トレンドと下降トレンドのトレンドライン(上値抵抗線・下値支持線)について解説しました。どちらかのトレンドがずっと永遠に続くのであればチャート分析は簡単なのですが、実際は、1つのチャートの中に複数のトレンドがあることが一般的です。

株式相場はちょっとした材料で変動することも多いため、チャートにトレンドラインを引いて、常に株価の変動の傾向と方向性を抑えておくことが重要です。

例えば下のようなチャートがあったとします。

チャートにトレンドラインを引く

このチャートにトレンドラインを引くと下のような図になります。

チャートに複数のトレンドラインを引く

このように、株式相場は連続したいくつもの山と谷をつくりながら波のように動いていきます。トレンドラインを引くことで、こうした一つ一つの波から株式相場全体の傾向(トレンド)を捉えることができ、相場の転換点(ブレイク)を読み取ることができるようになります。

こうしたトレンドラインはチャート分析の基本となるもので、多くの投資家が使っているため、ある程度の信頼性があると考えられています。

もちろん株式投資に絶対はありませんので、トレンドラインを上抜けしたり下抜けしたりしたからと言って、すぐにトレンドの転換点だと判断するのは危険です。一時的にこのラインを超えても、すぐに値を戻す「ダマシ」と呼ばれる株価の動きも多いので注意しましょう。
※「ダマシ」については後で解説します。

ただし、こうしたトレンドラインは多数の投資家が意識することですので、自分だけでなく他の多数の投資家がどう考えどう行動することで株価にどんな影響を及ぼすかということを考慮に入れた方がいいのは間違いありません。

③実際の株式投資に活かす!トレンドラインの使い方

それでは、こうしてチャートに引いたトレンドラインを株式投資にどう使っていくか解説します。

上値抵抗線や下値支持線の基本的な考え方

チャート分析のトレンドラインでは、これまで解説してきた上値抵抗線や下値支持線が「きりのいい数字」と同じ役割をはたします。
※投資家の多くは「きりのいい数字」で株の売買タイミングを決める事が多く、こうした数字が心理的節目になると言われています。

上値抵抗線は株価の上昇がそのラインで抑えられるラインです(または、抑えられると多くの投資家が考えます)。株価が上値抵抗線を上抜けすれば、その株価の上昇の勢いがとても強いと考えられるため、株価はさらに上昇していく可能性があります。

下値支持線は株価の下降がそのラインで抑えられるラインです(または、抑えられると多くの投資家が考えます)。株価は下値抵抗線で反発して上昇する可能性が高いですが、一方で下値抵抗線を下抜けしてしまうとその株価の下降の勢いがとても強いと考えられ、株価はさらに下降していく可能性があります。

上値抵抗線と投資判断

上値抵抗線は株価の下降トレンドにあります。株価が上値抵抗線に対しどうなったところで、買い・売りのタイミングになるのでしょうか。

上値抵抗線での買いタイミング

上値抵抗線は株価がそのラインを上抜けしたら絶好の買いタイミングといえます。

前述のように、今まで上抜けできなかった上値抵抗線を上抜けするほどの強い株価上昇の勢いがあると考えられるのと、上値抵抗線に近いところで売った投資家がまた株を買い戻す可能性があること、さらに、多くの投資家がこの株が上昇し続けると考えるため期待買いが入ると思われるからです。

上値抵抗線を上抜く

これまでの株価の動きの中で、上値抵抗線で反落した回数が多いほどそれまでの上値抵抗線における株価上昇に対する抵抗が強かったということのため、それを上抜きした相場の勢いは強いと考えられます。

上値抵抗線と売りタイミング

原則として、株価が上値抵抗線に近づいてきたところが株の売りタイミングとなります。

なぜなら、株価は上昇トレンド・下降トレンドにあるとき、大きな流れのとしては上昇または下降の傾向や方向性を示し、その流れの中では小さな株価の上昇下降を繰り返すという性質があります。そのため、全体としては上昇トレンドにあっても上値抵抗線のラインで株価が反落する傾向が多く見られるからです。

株価は企業価値を分割したものですから、本来は企業価値が向上したり低下したりした場合にのみ株価が変動するはずです。しかし実際は企業価値を向上させると思われるようなニュースや業績でも株価が下落したり、逆に企業価値を低下させると思われるようなニュースや業績でも株価が上昇したりすることがあります。

また、計算できる企業価値以上に株価が上昇したり、企業価値以下の株価しかつかなかったりするのも、本来の株式の仕組みからするとおかしなことです。

こうした現象がなぜ起きるかというと、ファンダメンタルズ分析を無視した「これからもっと株価が上がりそう」「これからもっと株価が下がりそう」といった多数の投資家の心理が反映されて株価が形成されているからです。そして、多くの投資家はチャート分析(テクニカル分析)、すなわち株価の動きのパターンを株式投資の意思決定に活かしています。

つまり、チャートは過去の投資家心理の集合といえるのです。

この事を理解しておくと、このチャートの形なら多くの投資家は株価が上昇すると考え株を買うだろうとか、逆に下落すると考えて株を売るだろうなど、他の投資家の行動を予測しそれを自分の株式投資の意思決定の要素に用いることができるようになります。

チャート分析は株式投資のひとつの方法に過ぎません。ですが、多くの投資家が真実と信じる「公式」でもあります。こうした「公式」を知り理解しておくと有利になります。

下値支持線と投資判断

下値支持線は株価の上昇トレンドにあります。株価が下値指示抵抗線に対しどうなったところで、買い・売りのタイミングになるのでしょうか。

下値支持線での買いタイミング

原則として、株価が下値支持線に近づいてきたところが株の買いタイミングとなります。

これは上値抵抗線と売りタイミングと同じで、株価は大きな流れの中で上昇または下降の方向性をとりますが、その流れの中では小さな上昇下降を繰り返すという性質があります。そのため、下降トレンドにあっても株価の細かな変動においては、株価が下値支持線のラインで反発する傾向が多く見られるからです。

この下値支持線ではチャート分析の中でも株価が上昇する可能性が高いと言われていて、多くの投資家がこの下値支持線のラインを投資判断のタイミングとしています。

下方支持線での売りタイミング

前述のように株価が上昇トレンドの中にあっても、株価が下落し下値支持線に近づいたら買いタイミングです。しかし、そのまま下落し続けて下値支持線を下抜けした場合は、売りタイミングとなります。

なぜなら、下値支持線での反発を見込んだ買いの勢いよりの売りの勢いが強いと考えられるため、株価下落の勢いがかなり強いためです。また、反発を見込んで買い注文を出した投資家の一部は、見込みと違って株価が下落したことで損切り(買った株の株価が下落した場合にそれ以上の損失拡大を防ぐために株を売り損失を確定すること)をするため、さらに売りの勢いが強くなることがあります。

下値支持線を下抜く

株価が上値抵抗線を上抜いた時は、株価上昇の勢いが強いと考えられるため、通常は多くの投資家が買い注文を入れます。逆に株価が下値支持線を下抜いた時は、株価下落の勢いが強いと考えられるため、通常は多くの投資家が売り注文を入れます。

しかし、その後にそうした予想と逆に株価が動くことがあり、このことを「ダマシ」といいます。一般的に、上値抵抗線や下値抵抗線を抜ける場合は株価の上昇・下落の強い勢いがありますが、相場が「ダマシ」になる場合はそれ以上に反対方向への株価の動きが強いということになります。

株式投資に絶対はありません。トレンドラインは、多くの投資家が使い信頼性もある程度あるチャート分析の方法ですが、結果として予想と外れる「ダマシ」も想定して株式投資を行う必要があります。

例えば、下値支持線ギリギリで買って反発を期待する場合、万一支持線を下回るような場合はそのタイミングで損切りしようなどと、見込み通り行かなかった場合の対応策も考えておきましょう。事前に「ダマシ」への対応を考えておくことで、利益を大きく損失を小さくし株式投資のリスクを小さくすることができます。

④いつまでも同じではない!?トレンドラインの修正

これまで解説してきたように、1つのチャートにトレンドラインは1つではなく、複数のトレンドラインが存在することがあります。さらに、株価が変動していき以前に引いたトレンドラインから株価が乖離し始めたら、次の新しいトレンドラインを引いて、そのトレンドラインを見ながら投資判断していきます。

また、トレンドラインを上抜ける(下抜ける)時には、相場全体の方向性が変わることがあります。上値抵抗線を上抜ける場合には下降トレンドから上昇トレンドへ、下値支持線を下抜ける場合には上昇トレンドから下降トレンドへといった具合です。

このように株価がトレンドラインを突破する動きを見せても、また新しいトレンドラインを引き、そのラインを見ながら新たな投資判断をしていきます。

トレンドラインを修正する

トレンドはいつも相場に確認できる訳ではありませんが、はっきりとトレンドが確認できるような相場は確実に見逃さず抑えておきたいものです。

このトレンドですが、株価は全体として上昇や下落の大きな流れや方向性は示すものの、その流れの中では小さな上昇下落を繰り返す動きをします。そのため、トレンドを確認できるチャートは長く続けば続くほど信頼性が高くなると言えます。

逆に言うと、短い期間のチャートではトレンドラインの信頼性が低くなるため、投資スタイルが中長期なのか短期なのかにもよりますが、トレンドラインを確認する際はできるだけ長い期間のチャートを使うほうがいいでしょう。

まとめ

今回の記事では、これから株式投資を始めようとする方や株式投資を始めたばかりの方向けに『株式投資で理解すべきチャート分析の基本「トレンドライン」』と題して、株式投資の手法のひとつであるチャート分析の基本である「トレンドライン」について解説しています。

  • 株式の投資手法とチャート分析の種類
  • トレンドラインと引き方
  • 上値抵抗線・下値支持線と使い方
  • トレンドラインの修正

今回の記事をよく読み理解して頂ければ、トレンドラインに基づき株を買ったり売ったりするタイミングについてよく分かると思います。株式投資に絶対の方法はありません。ですが、今回ご紹介するような株式投資の“公式”を知った上で自分の投資スタイルを確立することで、適切なリスクな株式投資ができるようになるはずです。

株式投資に関心のある全ての方に、役立つ記事になれば幸いです。

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